ディレクターズ・カット(歌野晶午)

報道ワイド番組の人気コーナー「明日なき暴走」。下請製作会社のディレクター長谷見が紹介するのは、若者たちが繰り返す無軌道、無分別な行動の数々。だが、これは長谷見が知り合いの若者に頼んでやらせたものだった。ある日、その若者が襲われ、それを長谷見の仕業だと誤解した若者は・・・。


もうね、登場する人物がイヤな人たち満載で、読みながらどんどん気持ちがザラザラと荒んでいきました。でも、続きが気になって読むのは止められないというジレンマ。やらせに突っ走る長谷見の言動が、どんどんエスカレートしていって引き返せなくなっていく。まさに「深みに嵌る」と言う感じで、ずぶずぶと沼に飲む込まれていくようで、うわぁ、いやだ、いやだ!もう読みたくなーいっ!と思いながらも、本を閉じることはできない・・・。

怖かった。ゾッとした。現実にも「やらせ報道」っていうのはあって、問題になったりもしますが、こういうことなんだろうなぁと、すっごいリアリティがありました。本人が気付かないうちに、許容のラインがどんどん上がっていくんでしょうね。受け取るほうとしては、報道に携わる人たちの、その一線を越えてはいけない、というモラルや矜持を信じるしかない訳で。その信頼を裏切らないようにして欲しい、と改めて切に願いました。

どんな結末を迎えるのかと思っていたら、まさかの大どんでん返しが待っていて、もうね、うわぁぁぁと叫ぶしかなかったです。まったくスッキリしないし、嫌な気持ちだけが残りました。
これぞ、イヤミス。グッタリ疲れたけれど、読んだなぁという充実感も半端ない。



(2017.10 読了)




ディレクターズ・カット
幻冬舎
2017-09-07
歌野 晶午

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