七人の敵がいる(加納朋子)

思ってた以上に面白かった!もっとさくっと読めるお手軽小説だと思っていたら、意外や意外!笑いはもちろん、むかついたり、ホロリとしたりとなかなか充実した読書となりました。

ワーキングマザーの陽子。息子の小学校入学から卒業までの、PTAや学童父母会、地域子供会などでの戦いの日々が7つの章で語られる。

有能な編集者であるはずの陽子なのに、息子の最初の保護者会から失言続きでお母さんたちからのヒンシュクを買いまくる。失言ぶり、空気の読めなさ具合が凄すぎる。ここまでくるとさすがにね、「ちょっと空気読んだ方が・・・」と読みながら思わず助言をしたくなるくらいでした(笑)

・・・と言ってる私も、若かりし頃は同じような失敗をしてしまったことがあるんですけどね;;;
会議とかね、「言いたいことは言う。疑問はもちろん質問する。不満はキチンと伝える」そして、「その場で言わないなら、後でコソコソと文句をつけない。」というのが当然だと思ってまして。自分はもちろん、みんなもそうなんだと思い込んでたんですよね。でも、そうじゃない人もいる訳で。ていうか、そうじゃない人のほうが多かったんですよね;;;それが分かってなくって、当然のごとく生れる軋轢。あの頃は、心身ともに疲労困憊でした。・・・っていうと、ちょっと大袈裟だけど(笑)ま、それに近いものはありました。

というこことで、陽子の言動に過ぎ去りし日々(笑)を苦味と共に思い出しながらの読書。最初に思ってた「さくっと読めるお手軽小説」という印象は第1章目から覆されたのでした。

章が進むごとに息子の学年が上がっていく。陽子も少しずつお母さんたちとの付き合い方を覚えていく。・・・んだけど、新たな敵が次々と襲ってくるんですよね~(笑)って、笑い事じゃないんだけどね。共働き家庭も増加してる昨今の問題点を、そういうものと全く関わりのない私でも垣間見れたようなお話。興味深かったし、色々と考えさせられもしました。

途中、陽子ファミリーの意外な真相も明らかになる。この章では、思わず涙腺が緩みました。この作品で、まさかこういう展開が待ってるとは思ってなかったので、かなり不意を突かれてしまった。でも、それがあったからこそ、この作品の深みが増したような気がします。・・・なんだかエラソウですが(笑)

最後は、さすが陽子!って感じでしたね。そこまでやっちゃう?とも思わないでもないですが、陽子らしい行動だとは思いました。まぁ、そこら辺は「小説」なのかなーとも思わないでもなかったんですけどね。現実では、ちょっと難しいような気もしますし。

陽子の空気の読めない言動にハラハラしつつ、現実のワーキングマザー達もこういう問題と直面しながらも、頑張ってるんだな~と改めて感じました。陰ながら、そういうお母さんたちにエールを送りたい。

さすが加納さん!と思える作品でした。面白かった。満足。



第1章 女は女の敵である
第2章 義母義家族は敵である
第3章 男もたいがい、敵である 
第4章 当然夫も敵である
第5章 我が子だろうが敵になる
第6章 先生が敵である
第7章 会長様は敵である



(2010.08.02読了)




七人の敵がいる
集英社
加納 朋子

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