身の上話(佐藤正午)

はぁぁぁぁーっ。読み終わって、思わず深く深く深く息を吐く。濃いお話でした。そして、予想外のラストに驚かされました。

随分と後まで、というかね、最後までこの主人公のミチルには共感できなかったんだよね。なので、読みながらずーーーっとイライラというか、不快感というか、そんなものを感じちゃってました。

なんたって、行動が突飛過ぎる!その場の感情でグングンと突き進むミチルに唖然、呆然。そして、それでなんとかなっちゃうミチル。周りに流されいるようにみえるのに、自分の位置はしっかり確保してて、なんだか揺るがないというかなんというか・・・。そんなことが出来ちゃうミチルにちょっと嫉妬を感じたり。あ~そうかぁ、これは妬みですね。臆病で、レールを外れられない性格の自分には、到底出来ない、想像すら出来ないことを、しれ~っとやっちゃうミチルに、嫉妬心を感じてたんですね、私って。そりゃ、感情移入できないハズだよなぁ(苦笑)

それにしても、ほんの些細なことから、2億円の宝くじが当たり、それからドミノ倒しのように次々といろんなことが起きるミチルの人生。こんなん、しょせんフィクション!小説の中だけのお話だよー!と、すんなり片付けられないものがありました。著者の筆力のせいなのか、こんなことも現実で起こりうるよなぁ、と感じさせる、なんだかよくわからないイキオイみたいなものがあった。文章自体はミチルの身の上を淡々と語る、夫の独白なんだけどねぇ。不思議です。

で、主人公はミチルだと思ってたんだけど。たしかに、延々とミチルの身の上が語られるんだけど。最後まで読むと、主人公は語り主の旦那さんじゃないの、と思いましたねー。いや、予想外の展開に「うわ、そっちかーっ!」と思わず呟いてしまいました。ミチルの波乱万丈の身の上話にも惹きつけられつつ、最後の最後にヤラレタ!な展開でググッと心をつかまれた、そんなお話でした。うん、面白かった。



身の上話
光文社
佐藤正午

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