おそろし 三島屋変調百物語事始(宮部みゆき)

久々の宮部さん。実は宮部さんは大好きなんですが、大人気作家さんだけあって図書館でもなかなか巡り合えない。予約しようと思うと、すんごい予約数にゲンナリして申込を躊躇してしまう。そんな訳で、ここ近年、宮部作品はなかなか手にしてなかったんですよねぇ。これは早めに予約を入れられたので、なんとか手元に届きました。
で。・・・もっと、他の作品も読もう!やっぱ、宮部さんって好きだわーっ!と拳を握り締めて誓うことになりましたとさ(笑)

ということで、夢中で読んだ。でも、面白かったとか楽しかった訳ではない。ぞわぞわぞくぞくぞわわわわっと背筋に冷風を感じ、苦い切ないやりきれない想いで胸を一杯にしました。そして、涙しました。

ちかに起こった事件と、ちかが三島屋の一間で聞く怪しく不思議な百物語。どのお話も、切なく苦々しさを伴うものばかり。人の気持ちというのは、理性ではどうにもならないものなのだ。そして、人はやっぱりどこかで、利己的なのだ。分かっていても、そうなりたくないと思っていても、フトした瞬間にぐらりと揺れたりするものなのだ。だから、人はみな”後悔”という言葉を知っているのだ。

・・・と、なんだか私らしくもない文章になってしまったような気がしますねぇ(苦笑)

「曼珠沙華」「凶宅」「邪恋」「魔鏡」そして、それまでのお話を昇華させるような「家鳴り」と続く。実は私って、ホラーを読んだら夜、トイレに行けない人なんです;;;そんな私が夜、一人の部屋で百物語を読む。もうねぇ、章が進む毎にぞくぞく感が増していくもんだから、タイトル通りまさに「恐ろし」だよーぅ。うへー夜中にこんなん読むもんじゃないよぉーぅ!と呟きながらの読書になりました。だからって、宮部マジックに囚われてしまったからには最後まで読むのをやめられず。途中でフト顔を上げたら、だれだか知らない人とカチリと眼が合っちゃいそうで顔は上げられないし。いつもと違った意味で、緊張感のある読書でした(笑)

このお話は続編が出そうですね。タイトルが”事始”ってなってるし、良助さんは全く登場してないし、あの番頭さんの意味ありげな感じからしても、ちかをそうそう見逃してはくれそうにないし。なんたって、あのお屋敷の正体というか、”凶宅”になってしまった理由ってのが分からないままですもん。ハッキリさせて欲しいわー。じゃないとなんだか安心して寝てられないって気分なんですけど。

読み終わったのは日付が変わるちょっと前。鏡台からはびみょーに視線を外し、爆睡中だった愛猫を強引に私の布団に引きずり込んで眠りに付いたのでした。昼間はともかく、夜は鏡を覗けなくなりそうなんですけどぉ・・・。



おそろし 三島屋変調百物語事始
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宮部 みゆき

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