魔王(伊坂幸太郎)

なんかちょっとですね、今まで読んだ伊坂作品と違うような、でも、やっぱり伊坂さんだよな~って思っちゃうような、そんな作品でした。めっちゃ分かり難い表現だけど(笑)

タイトルの「魔王」と「呼吸」の2編の小説。「魔王」で、え?これで終わりっ!?それってちょっと・・・と思ったら、次の「呼吸」がその続編のようになっていてほっとしました。

”群集心理の怖さ”というものを改めて感じた作品でした。フィクションとはいえ、実際に起こった事件にも触れられていて、その時のマスコミ報道やそれを受け取る私達。一気に盛り上がったバッシング。そして、それが二度目、三度目となると・・・。改めて考えると、ぞっとするというか、衝撃を受ける。その通りだよね。自分の意見だと思っていたこと、思っていることが、本当は所謂「群集心理」というものに流されているだけなのかもしれない、ということに気付かされる。というか、目を逸らさずにきちん見なさい、考えなさい、と戒められたような気がしました。私は自分の意見だと思っていたけれど、本当に踊らされてなかったと言えるのか?冷静に判断したのか?「ちょっと待てよ」と考えることは大切なんだぞ、と。

「クラレッタのめくれ上がったスカートを、直してあげられる人間になりたい。少なくとも、直してあげたいと思える人間に。」~本文より~

この言葉が印象的。これはイタリアのムッソリーニが処刑された時のことを言ってるんだけど。私も、スカートを直してあげられる人になりたいと思うけれど、どうかな・・・と自信がないので。だから、せめて”直してあげたい”と、そう思える人にはなりたいと思う。ならなくちゃ、と思う。
そして、現実に「9条改正」や「国民投票」ということに直面した時は、「考えろ、考えろバクガイバー」です。

魔王

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