インフルエンス(近藤史恵)

作家である私は、ある日、興味を引く話があるので会って話を聞いて欲しい、という手紙を受け取る。最初は会うつもりはなかったが、手紙の中に気になることが書かれていて会う事に。そして、手紙の主である女性が語り出したには、大阪郊外の巨大団地で育った友梨、里子、真帆の三人の女性たちの物語だった・・・。

小学生時代の話から始まる3人の女性たちの物語は最初から不穏な空気をまとっていて、いやぁ~な感じなんだけど、途中で読むのを止められない。先が気になって、気になって、気になって、しょうがない。一気読みですよ。ガッツリ読んで、あぁ、久しぶりに読書に没頭したなぁという気分になりました。

友梨と里子、友梨と真帆の友情。そして、里子と真帆の関係。最初は確かに友情だったはずなのに、殺人事件と共に、それはカタチを替えていく。これを友情とは呼びたくないなぁと思うんだけど、彼女たちにしてみれば、これこそが友情の証となってしまったんですよね・・・。まぁ、彼女たちにしてみても、友情という単純な言葉では語れない複雑な感情が絡まりあっていると、多少の自覚はあったと思うんだけど。読みながら、そんなドロドロとした感情の波に飲み込まれ、絡み取られた、そんな気持ちになりました。

小中学生の頃で終わるのかと思いきや、まさか、大人になってからも、そんな”友情”に振り回されることにはなるとは・・・。彼女の行動は衝撃でした。そして、この世の人ではなくなっている女性というのが明かされて、またしても驚きが・・・。そんなぁ・・・という気分でした。切なかった。

清々しいラストにもならず、やるせない気持ちでいっぱいになりましたが、読書の充足感は抜群でした。そういう意味では、とても面白かった。



(2018.01 読了)




インフルエンス
文藝春秋
近藤 史恵

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