ユートピア(湊かなえ)

いやぁ、相変わらずな湊さんでした。


商店街に古くから続く仏具店の嫁である菜々子、食品メーカーの夫の転勤で社宅に越してきた光稀、港町の美しい自然に魅せられ移住してきた陶芸家のすみれ。3人は菜々子の娘で足の不自由な久美香が巻き込まれた火事をキッカケに、ボランティア基金「クララの翼」を立ち上げたが・・・。

久美香と光稀の娘である彩也子の友情を軸に語られる物語ですが、二人の小学生よりも、3人の女性たちや彼女たちを取り巻く人々のそれぞれのドロドロな負の感情が絡まりあっていく様は、読んでいてゾクゾクしました。と同時に、怖かったー。やっぱ、オンナって怖いわー、田舎町って怖いわーと思っちゃいましたね。自分も、同じオンナで、田舎町に住んでるんですけどね(笑)
湊さんって、こういう女性の感情とか、小さなコミュニティの閉塞感を描かせたら、ホント上手いですよねぇ。

ボランティア基金のことだけではなく、5年前の殺人事件、久美香の足のこと、そして、誘拐事件に火事。さまざまなことが繋がり、そして絡まりあって、一気に真相が明かされた後、それぞれが新たな人生を歩み始めていく。
・・・と、終わったかと思った矢先に、まさかの真相が待ち受けていました。うわ、そうきたか!まさか、そこもか!と、イヤぁな気持ちになって読了。もう、ホントにね読後感が・・・。そこが湊さんの魅力なんですけど、でも、このざらざらな気持ちをなんとかしてよーと、ちょっぴり愚痴りたい気分にもなったのでした。面白かったけどね。




(2016.02.13 読了)





ユートピア
集英社
湊 かなえ

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この記事へのコメント

2017年06月04日 20:41
すずなさん、こんばんは(^^)。
田舎の閉塞感、女同士の些細な感情のやり取り、・・・抉られました。
何かがちょっとズレていたら、私もこの渦中にいたに違いないと、そう思えてしまうリアルさが、もうホント、とんでもないですね。
…、ああこわかった。
すずな
2017年06月06日 12:51
>水無月・Rさん
田舎と女同士。もうホントに抉られましたよねぇ。そして、自分もいつ同じようなことに巻き込まれてもおかしくないと思えて、他人事じゃないという怖さも感じました。

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  • 『ユートピア』/湊かなえ 〇

    Excerpt: う~わ~・・・。 湊かなえさんでこのタイトル、絶対にイヤミスだよね、たぶん抉られる系だわ・・・と、思ってた通りでした。 美しい海のある街、鼻崎にある商店街『ユートピア』。 そこで出会った、3人の.. Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。 racked: 2017-06-04 20:24