ゆめみの駅の遺失物係(安東みきえ)

図書館でふと目にして、何故だか引かれて手に取りました。ほんわかした装丁とタイトル。文章がひらがなで、内容も同じようにほんわか。でも、書かれている物語はちょっと切ない。作中作の7つの物語が、童話のようで、抽象的ということもあって様々なことを考えさせられました。


主人公の女子中学生が、電車の中で「失くしちゃった」とつぶやくと、乗り合わせたおあばさんから「いしつぶつがかり」に行けば見つかるよと教えてもらう。主人公が由米美濃駅(ゆめみのえき)の遺失物係を訪ねると・・・。


主人公が訪ねた「遺失物係」は、傘とか携帯とかの荷物ではなく、みんなが失くした「取得物語」が届くところ。様々な人々が、失くしてしまった物語を探しにやってくる。そんな場所があるなら、私も行ってみたいなぁと思いました。失くしてしまった物語っていうのは無いけどね(笑)いや、実はあるけど分かってないのかもしれない。でも、きっと、「分からない」と言ったら、係りの人が一緒になって探してくれそうだし。どんな物語に出会えるのか、ちょっと知りたいなぁと思っちゃいます。

登場した「拾得物語」の中で印象に残っているのは、火曜日の「飛べない鳥」土曜日の「まっくらけっけ」日曜日の「青い人魚とてんとう虫」かな。最後の日曜日の物語は、てんとう虫がどうなっちゃうのかとヤキモキしちゃったけれど、最後に飛び立ててホッとしました。お話を聞いていた少女も同じように飛び立てるのかな、と思わせるラストで良かった。あ、水曜日の「バク」も好きだったなぁ。思わずうるっとしちゃいました。

少女は自分が失くしてしまった物語を見つけながら、他の人が探している物語も一緒に聞いていく。時には、探すのではなく届けられた物語を聞くこともあって、少しずつ少しずつ、何かを得ていく。切ない物語が多かったけれど、優しくホッとできるような、そんな作品でした。




(2015.02.27 読了)






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