昨夜のカレー、明日のパン(木皿泉)

7年前に亡くなった夫の父である”ギフ”と二人で暮らすテツコ。二人と、その二人を取り巻く人々を描いた連作短編集。

血の繋がらない二人なのに、本当の父娘のように過ごしている、その暮らしぶりの雰囲気が柔らかくって、優しくって、読んでるこちらまで穏かな気持ちになれる作品でした。でも、決して穏かなだけの暮らしでもないんですよね。夫を、息子を、亡くした悲しみが、そこここに漂っていて、読みながら切なくなってくる部分もありました。

ほぼ穏かな気持ちで読める作品ですが、二人の隣に住む元キャビンアテンダントのタカラの話にはちょっと涙腺が緩んでしまいました。飛行機に乗ってる雪だるまを想像すると今でもちょっとヤバイ;;;ギフの言葉で少しずつ前に進んでいけるようになるタカラの姿を読みながら、本当に良かったなぁと思いました。

テツコと恋人の岩井さん、そしてギフの関係も良いなぁと思った。こういう風になるのは、現実的にはなかなか難しいことだとは思うけれど、ギフとテツコの元々の関係がそれを可能にしたんでしょうね。

ほっこりなれるお話でした。うん、良かった。



(2014.02.10 読了)





昨夜のカレー、明日のパン
河出書房新社
木皿 泉

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この記事へのコメント

苗坊
2014年05月27日 22:01
テツコとギフの関係がとても好きでした。
2人は血は繋がっていないのに親子のように当たり前に暮らしていて、その関係が良いなと。
派生した2人にかかわる人たちの物語もそれぞれ良かったです。
タカラの話も良いですよね~!!
そして最後の一樹の章がまた涙を誘いました。
すずな
2014年05月28日 12:39
>苗坊さん
本当に、二人の関係がすごーく良かったですね~!だからこそ、なのか、二人に関係する周囲の人々の物語も良かったですよね。タカラのお話、良かったですねー!うるっとしてしまいました。
そうそう。一樹の章は私も涙腺が緩んでしまいました。
latifa
2016年05月14日 17:29
こんにちは!
私もタカラと後輩と、雪だるまが飛行機に乗って・・・というお話は、ジーンと来てしまいました。

悲しいのに、心がちょっと温かくなるようなお話で、とても良い小説だなーと思いました。

乙一作品の方にもTBさせて頂きました。
そちらは、それほど面白かった!って程にハマって読むことはできませんでしたが・・。
すずな
2016年05月29日 13:51
>latifaさん
雪だるまのエピソードは沁みますよねぇ。
それ以外でもじんわり沁みてくる良いお話でしたね。

乙一作品へのTBもありがとうございました。

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