恋歌(朝井まかて)

樋口一葉の歌の師匠であった中島歌子。彼女の波乱に満ちた人生を描いた作品。

実のところ「中島歌子」さんという名前は初めて知りました;;;というかね、樋口一葉は作家さんだと思ってたので、歌人ってあったというのも初めて知ったという次第。無知ですみません;;;って感じですが。


幕末、尊皇攘夷の急先鋒であった天狗党、その水戸藩士と熱烈な恋愛の末に結ばれた歌子。しかし、歴史の波にのまれ、夫とは引き離され自らも投獄される。藩士の妻子たちと助け合いながらの過酷な投獄の日々・・・。


今までの朝井作品とはちょっと趣が違うかなぁという印象でした。今までの作品と違って「恋愛」メインだったからでしょうか。水戸藩士の妻として投獄され、牢での過酷な日々が描かれながらも、登世(歌子)の夫を想う気持ちが強く溢れていました。

一方で、登世を主人公にした恋愛小説でありながら、幕末に水戸藩士たちが辿った道が描かれ、明治の花壇の様子も描かれているので、歴史小説としても読める。一度で二度楽しめると言ったら言い過ぎかもしれませんが、そういう部分でも魅力ある作品でした。

でもね、なんだかちょっと重くて暗めな感じで、読みながらずずんときてしまって・・・。私としてはちょっとなぁと思わないでもなかったです。時期的に、結構、精神的にシンドイ時に読んだので、そんな風に感じてしまったんでしょうけどね。

なので、ちょっと時間を置いて、もう一度読み直してみたら、もうちょっと違った感想になるのかなと思います。



(2013.09.12読了)



恋歌
講談社
朝井 まかて

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この記事へのコメント

2015年01月09日 18:12
すずなさん、こんばんは(^^)。
中島歌子の手記を三宅花圃が澄と一緒に読み進める、という形が良かったです。
水戸の内乱がこんなに陰惨なものだったなんて、驚きました。教科書で「天狗党の乱」があった、ぐらいの記述だったとしても、実際に体験する人々にとっては、こんなにも犠牲者の多いドラマだったのかと、胸が痛みました。
すずな
2015年01月14日 05:18
>水無月・Rさん
この構成は良かったですね。こちらも一緒に手記を読んでるような気になりました。
水戸の内乱の悲惨さには心が重くなりました。歴史上の出来事として文字で読むのと、実際に体験するのは大きな違いがあるんでしょうね。
2017年05月13日 11:18
すずなちゃん、こんにちは。
重たい小説でした。獄中の描写のインパクトが強く、その前の部分の印象がふっとんでしまいました。こんな時代に生きるって、どんだけ大変だったのか、思いを馳せてもきっと自分はわかっていない気がします。
同時に、戦争というのはこういう悲惨があるもので、誇張でもなんでもないに違いないと、じくじくした気持ちになりました。

物語のメインではないですが、なんで水戸藩がごちゃごちゃしていたのか、ちょっと整理がつきました。
あと、今更だけども、明治政府の欧米大好き路線を思うと、薩長って勤皇攘夷だっけ?あれ?どっちだっけ?……と混乱するのは、彼らがあっさり変節したからだと、やっと納得いきました(^^;
すずな
2017年05月13日 13:51
>香桑ちゃん
本当にずずんと重い小説だったね。記憶が薄れてた今では獄中の描写が一番印象に残っています。
想像は出来るけど、きっと本当に理解出来ることはないんだろうなぁと思うよね。

お~そうかぁ!幕末から明治にかけての歴史の整理にもなって良かったね。…まぁ、喜ぶには、かなり重苦しい内容だったけどね;;;

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