決壊石奇譚 百年の記憶(三木笙子)

今までの三木さんの作品と違って、美青年達の~という印象が薄いかな。高校一年生の少年達の物語ではあるけれど、それが”美少年”というイメージとはちょっと違うような、そんな感じでした。

とはいえ、少年達の友情物語ではあるし、遠い過去の二人の青年の友情物語でもありました。お互いを思いやる気持ちが痛々しくもありつつ、強い絆で結ばれた二人が羨ましくもありました。


地学部に入部した高校一年生の徹。知り合った大地は不思議な力を持っていて・・・。


記憶を持つ石が繋いだ人と時代。人の思いってその立場によって、こうも違ってくるものなんだろうか。一方は辛く重い気持ちで約束を抱えつづけ、一方は約束の再会を祈るような気持ちで切望する。もっと早く誤解(?)が解ければ良かったのになぁと思わずには入られませんでした。でも、それもお互いがお互いを思い遣った故に起こったすれ違いだったんだよねぇ。

友情物語でもありましたが、父子の物語でもありました。父親には何か事情があって、息子を思う故の強権行使だとは思ったけれど、あれでは反発しか生まれないよなぁと思いながら読みました。思い込みって怖いなぁとも思ったり。

みんなそれぞれが誰かを思い遣って行動するんだけど、それが、必ずしもその人にとって本当に良い事だとは限らない。優しさや愛情故ではあっても、相手が理不尽さを感じたり、意に染まなかったりすれば、その思いはきちんと伝わらないもんなんですよね。ホント、人の気持ちって難しいものだなぁとしみじみ思ったのでした。


最後は誤解も解けて、ホッとできるラストで良かったです。



(2013.06.29読了)




決壊石奇譚 百年の記憶
講談社
三木 笙子

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この記事へのコメント

苗坊
2013年09月25日 23:31
こんばんは。
ようやく届いて読みました。
三木さんの書く男たち好きです^^
今回は壮大でしたねぇ。良治と伝、航と賢一、大地と徹それぞれの物語がキュンキュンしちゃいました^m^
最後は誤解が解けてよかったですね。ちょっとここで終わり!?と思いましたけど^^;
すずな
2013年09月28日 12:44
>苗坊さん
三木さんの書く男達ってホントに魅力的ですよね。
壮大な物語でしたね。それぞれの友情や親子愛に私もキュンキュンしちゃいましたよ(笑)
最後は誤解が解けて良かったですよね~。まぁ、ラストはもうちょっと欲しかったですけどね^^;

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