島はぼくらと(辻村深月)

島に住む4人の高校生を中心に、島で暮らす人々を描いた物語。

あ~辻村さん、やっぱり好きだなぁ!と思いながら読んだ。途中では、思わず涙腺が緩んじゃったりもしました。

船で高校に通う高校生たちを中心に、様々な出来事が綴られていく。「幻の脚本」など、ちょっとした謎はあるものの、大きな事件が起きるわけでもない。それでも、ぐいぐいと惹き込まれて、気付くと一気読みしちゃってました。

シングルマザーやIターン者を積極的に受け入れている島。元々の島民と第二の人生を始めるために島にやってきた人々の軋轢も色々とあるんじゃないのかな・・・と思ったんですが、この作品ではそういうことはあまり描かれてなかったですね。島で生まれ、島で育った高校生たちを中心に描いてあるからか、彼らと深く関わる人たち、つまり島にある程度、馴染んだ人たちが主に登場したって感じだった。いや、だからそれがちょっとねぇ;;;ってことではないんですけどね。辻村作品なので、もうちょっとあからさまな「悪意」も描かれるかなぁと思ってたので、そこら辺が意外だったというだけです。まぁ、「幻の脚本」を探しに来た人はイヤナヤツ!でしたけどね(笑)彼には本当に不快感しか感じられなかったですね~。彼がしたことを思うとムカムカするんだけど、高校生たちはあっさり許しちゃうって感じで、あれにはちょっと肩透かしでした。

4人の高校生たちが、それぞれの事情を抱えながらも、素敵な友情で結ばれているのがいいなぁと思いました。特に、修学旅行先での行動にはワクワクしちゃいましたね。「スロウハイツの神様」の彼女の登場という嬉しいサプライズもあって、思わず歓声を上げてしまいました。

成人した男性が盃を交わして「兄弟」となるという風習が変わっていて印象的でした。作品の中でも、高校生達の絆を表す素敵なエピソードとして粋な使われ方をしていたので、余計に心に残ったんでしょうけど。まぁ、それが「しがらみ」となってしまった嫌なエピソードも描かれてはいたんですけどね;;;この風習の良い面、悪い面、どちらも読めたのは良かったかなとは思ういます。物事には色んな面があるものですからね。そういうところは、辻村さん、上手いなぁと思いました。

そういえば、朱里と源樹の二人の関係はどうなったんでしょうねぇ。なんだか、うやむやのままで終わってしまったので、そこはキチンと描いて欲しかったなぁと思っちゃいました。読み終わって「あれ?あの二人はどうなったの!?」って、すんごく気になってしまったじゃないですか!予想外の衣花と新は嬉しかったけどさぁ。その点に関しては、ちょっとモヤモヤ。

予想外と言えば、ラストの衣花には本当の驚かされました!まさか、そんな後日談が待ってるとはねぇ。読みながら思わず叫んじゃいましたよ~(笑)衣花ってば、やるなぁ!このラストのお陰で、スカッと爽やかな気持ちで読了する事出来ました。

ホント、良いお話だったなぁ。




(2013.07.31読了)





島はぼくらと
講談社
辻村 深月

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この記事へのコメント

苗坊
2013年08月17日 22:26
こんばんは^^
いや~素敵な青春小説でしたよね。
辻村さんのキャパは広いですね。
私は「スロウハイツの神様」を読んでいないのでリンクが分かりませんでした~。悔しい。
辻村さんの作品は初期の作品は読んでいないのが多いのですがもはや何から読んでいいのか分からず困っています^^;
衣花の選択は凄くかっこいいですよね!ビックリしましたが衣花ならできるだろうなと思います^^
すずな
2013年08月20日 12:40
>苗坊さん
ホント素敵な青春小説でしたね~。
「スロウハイツ~」も良いので機会があったら是非、読んでみてください!
衣花にはビックリさせられましたよね~!さすが!と思いまました。

辻村作品は刊行順に読むことをお勧めします!作品同士のリンクも結構あるので「あっちが先だった~;;;」って悔しい思いをしちゃいます。←経験者は語るです^^;
2013年09月11日 23:16
僕も「スロウハイツの神様」
読んでないのでわからない・・・
でもこの小説は良かったです。
理屈ではなく感性がウエルカムしてました 笑
すずな
2013年09月13日 12:48
>yoriさん
「スロウハイツの神様」の登場人物とリンクしていたというだけで物語には影響ないので読んでなくても大丈夫ですよー!読んでる人はテンション上がったというだけです^^;

すごく良い小説でしたねー!まさに「感性がウエルカム」っていう言葉がぴったりです♪

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