あとかた(千早茜)

連作短編集。

全てのお話の登場人物が少しずつ繋がっている。意外な人達が繋がっていて、その驚きが嬉しい連作集でした。

ただ、内容は”嬉しい”というものではないんですよねぇ。これぞ、千早さん!と言いたくなるような、うわうわうわぁぁぁっ、と叫び出したくなるような、そんなお話ばかりでした。読んでいると、本当にずんどこ重苦しい気分になって、この世界から抜け出せなくなるような、そんな一抹の不安を感じたりもするのに、それでも読むのを止められない。絡め獲られる、まさにそんな言葉がぴったりの作品集でした。

誰も彼もが満たされてなくて、その満たされない思いをなんとかしたくて、ずぶずぶと深みにはまっていく。切なくて、痛くて、哀しくて。読んでると、こちらまで不安定な気持ちになってしまいます。それでも、なんとなく、「あぁ、その気持ちって分かるよ。」そう思えてしまうんですよねー。きっと私の中にもあるんでしょうね、そんな感情が。

不安定になりながらも、最後はなんだかちょっとだけ、フッと優しい気持ちが掠めるような、そんな物語たち。その、ほんの僅かな優しさが心を掴んで離さないのかもしれません。

・・・と、なんだか、何を言いたいのか分からない感想になってしまいました;;;




・ほむら
・てがた
・ゆびわ
・やけど
・うろこ
・ねいろ


(2013.07.22読了)





あとかた
新潮社
千早 茜

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この記事へのコメント

苗坊
2013年08月15日 00:36
こんばんは^^
分かります。説明が難しいですよね。
でも人と人とが繋がっていてお話の流れは凄く好きでした。痛い人もいましたけど、何となく光が見える感じが良かったです。
最後の水草君が好きでした。
すずな
2013年08月16日 17:20
>苗坊さん
説明が難しいですよねぇ^^;
私もこの繋がり具合が凄く好きでした。最後はちょっと光が見えるような、そんな感じが良かったですね。
水草くん、私も好きでした~。
2013年12月26日 13:16
すずなさん、こんにちは(^^)。
微妙なつながり具合が、良かったですよね~。
私は松本とサキの話が好きでした。使い捨てのコンタクトレンズが乾いてうろこみたいで、それを踏んで割ってしまう、そんな小さくて薄いうろこが二人の間にあるカラだったんだな、と思うととても愛おしくなりました。
割れて、近づけるようになってよかったな、と思います。
すずな
2013年12月27日 12:49
>水無月・Rさん
そうきたか!な繋がり具合が良かったですよね。
松本とサキのお話・・・ちょっと記憶が曖昧で;;;すみません。でも、「コンタクト」で「あ、あれかな~」というのはなんとなーく分かったような^_^;

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  • あとかた 千早茜

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