聖痕(筒井康隆)

1973年。あまりの美貌故に、5歳にして変質者に性器を切り取られた少年。それでも彼は、その美貌のまま健やかに成長していき、周囲の人々の様々な欲望を惹き起こしていく・・・。

そんな感じのあらすじと、このタイトル。もうね、めちゃめちゃ興味を惹かれるじゃないですか!筒井康隆さんって、最近は全く手をつけてなかったけれど、中学生とかそれくらいの時には読んでたという記憶もあったし。そんな訳で、すっごくワクワク期待に胸膨らませて読み始めたんですが・・・。うーーーむ。

なんだか、想像してたのと違うような?と、最初から肩透かしというかね、そんな気分を味わってしまった。文章が、どうにもこうにも小難しいというかね、言葉遣いが古臭い。昭和初期の話だっけ?と思ったんですが、1973年で5歳なんだから、そうでもないんですよねぇ。わざとこういう文体にしたんでしょうけど、ちょっと読み難かったです。

おまけに、この主人公が性器を切り取られたという事以外は、普通の人生を歩むんですよね。まぁ、確かに美貌故のあれこもあり、やることなすこと大当たりで、それを”普通”とは言わないかもしれないんだけど。でも、そんな突飛な人生でもなかったし。おまけに「それはあまりにご都合主義じゃないか?」と思う部分も多かったのもちょっとねぇ;;;でした。

それよりもなりよりも、性器がないというのを、ずっとずーーーっと隠し通せるというのがね、もうリアリティが無さ過ぎて;;;いやいや、さすがにそこはばれるでしょう?ばれないとおかしいでしょう?と突っ込みを入れたくなったことも多々ありました。

どういうオチにするんだろうと思っていたら、まさかの「3.11大震災」。夢物語がいきなり現実世界になった、そんな気分でした。そして、これもまさかまさかの再会。なんだか、最初から最後までリアリティを感じられない物語でした。


・・・って、かなり辛口になっちゃいましたねぇ;;;
まぁ、そう言いつつ、挫折することなく、逆に一気読みしちゃったんですよね。なんだか不思議な吸引力を持った作品でもありました。




(2013.07.21読了)





聖痕
新潮社
筒井 康隆

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