百年法(上・下)(山田宗樹)

初読み作家さん。2013年本屋大賞ノミネート作ということで手に取ってみたんですが、これが予想以上に面白くって!上下巻を一気読みしてしまいました。

アメリカ発の不老技術を導入した日本。技術の導入と同時に、不老処置を受けたものは100年後には死ななければならないという法律「生存制限法」も成立した。通称「百年法」と呼ばれる法律の初めての適用が近づいてきたのだが・・・。


官僚、政治家、一般市民など、様々な立場の人たちからの「不老」や「百年法」に対する思いが語られる。自分のことしか考えていない者や、逆に国の将来の事を考えて行動する者、身近な人の死を受け入れられない者、粛々と従う者など、様々な人々の思惑や葛藤が絡まりあって、どうなっていくのか先が読めない面白さがありました。

一方で、大衆心理やそれを利用しようとする官僚や政治家など、現実を見ているような錯覚を受けたりする部分もあって、ゾッとしたりもしました。現実的といえば、少子高齢化や格差社会という問題も浮き彫りになっていて、これって本当にお話の世界だけのことじゃないよなぁと感じたりもしましたね~。不老技術や百年法が無くたって、今の日本も十分にこの小説世界の中のようじゃないか?と思えたりして・・・。変な汗を流しちゃいましたよ。

国としてのカラー(?)が出てたのも印象的だった。不老技術を確立したアメリカを始め、韓国や中国の対応。そして、それらの国と比べた日本の対応。・・・なんか本当にこういう対応を取りそうだなぁと思えてしまって、怖いというか何というか;;;

死を目前にした時、そして、自分の覚悟の程を試される時、人はどんな行動を取るのか。そんなイジワル目線で読んでいた部分もあったんだけど、自身を省みた時、大丈夫!と言い切れる自信はなかったんだよね;;;「自分はどうするんだろうなぁ・・・」という不安の方が大きかったんですよね。自分を棚に上げていた事をちょっと反省。。。

ラストは、読み始めた時には思いもしなかった展開になってしまってビックリでした。でも、そこが面白かったんだけどね。

最初から最後まで目が離せないまま一気に読了しちゃいました。個人的にはこの作品が”本屋大賞”イチオシかな。



(2013.04.13読了)




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この記事へのコメント

2013年06月01日 15:13
面白かったですね、そして怖かった。この国のネガティブな部分が特に 笑 いやあ、山田宗樹氏、ちょっと絶賛ですよ!!!
すずな
2013年06月04日 12:39
>yoriさん
面白かったですよねー!でも、SFだと分かっていてもリアリティがあって怖い部分もありましたね。
初読み作家さんだったんですが、私もyoriさんと同じく絶賛です!

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