スリジエセンター1991(海堂尊)

「ブラックペアン」シリーズ3作目にして完結編。

これって、シリーズ物だったんだ!?と、まず驚いてしまった(笑)まぁ、たしかに、前作が中途半端なところで終わってるもんねぇ。シリーズ物っていうんなら、それも納得だなぁと思いますが、それならそうと、最初から”シリーズ物ですよー”っていうアナウンスが欲しかったなぁと思ってしまいます。

ということで、単体の長編小説のようですが、「ブラックペアン1988」「ブレイズメス1990」を読んでなければ、ちょっと理解しづらいかなと思う。特に「ブレイズ~」は読んでおく必要があると思うんですよね。なので、やっぱり、2作品よりも先にこれを手に取ってしまわないように、「シリーズ物の3作目」であるというアナウンスは必要だと思うんだけどなぁ・・・。読者に対して、ちょっと不親切のような気がします。




・・・なんか、だんだんと辛口感想になってきました。
この後も、こんな調子が続きそうな気がします;;;
面白かった!という方などは引き返されることをオススメします。
どうぞご注意を。











医療者としての立場や考え方など、医師それぞれで違うんだなぁというのがよく分かって面白いとは思う。思うんだけど、なんだか患者は蚊帳の外で、大学内の政治的な部分ばかりがクローズアップされてたような感じでして。患者の立場にしかなれない私としては、かなり不愉快な気分を味わってしまいました。そんな医者ばかりじゃないとは思う(願う)んだけど、この作品を読むと、医者って、権力抗争ばかりに明け暮れて、患者の治療もその為の手段としか見てないんだなぁとしか思えないんですよね。以前から、そういう感じの小説も読んだりしてて、それはそれで楽しめたんだけど、この作品はどうしてもダメでした。楽しめなかった。

最近の海堂作品って、”医者の立場から行政や世間一般の人々に向けて意見を述べる”という部分のウェイトが大きくて、エンタメとしての面白さが薄いなぁというのが正直なところ。言いたいことも判るし、訴えることも大切だと思う。思うんだけど、小説としての面白さを半減させるような書き方じゃなく、もうちょっと上手くやって欲しいなぁと思うんですよねぇ・・・。

まぁ、判り易くぶっちゃけると「私は意見書や論文が読みたいんじゃなくて、あくまでも小説が読みたいんじゃーっ!」ってところでしょうか。ってこれって、もうすでに何度も叫んでるようなきがしないでもないんだけど(笑)


あ、それでも楽しめた部分もあったんですよ。速水の登場とか、世良と花房とかね。お~!と思う部分もあったりしたのはホントです。




初期作品がとても楽しめただけに、「今回こそは!」という期待を捨てきれなくて、つい手に取ってしまう海堂作品なんですが、最近は、その期待を裏切られ続けているんですよねー。いい加減、諦めればいいんだろうけど、「シリーズ完結編」とか煽られると・・・ねぇ。ということで、なんだかんだ言いつつ、もうちょっとは海堂作品を読むことになりそうです。
どうか、次こそは小説として楽しめますように!・・・と祈りたい。




(2013.02.13読了)





スリジエセンター1991
講談社
海堂 尊

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この記事へのコメント

2013年05月30日 17:17
すずなさん、こんにちは(^^)。
確かにちょっと、エンターテイメント方向から離れてきちゃいましたもんねぇ。私もちょっとそこは不満というか、残念。

ただ、今回私、佐伯院長の偉大さに心打たれました。「外科医療」に対する高い志があった、と思います。
残念ながら、高階にその志は阻まれてしまいましたが、高階も自分の信じる正義のための行動と思えば、仕方なかったのでしょうね。ちょっと頑な過ぎだとは思いますが。

速水がジェネラルになるに至ったあの時、こんなことが起こってたから誰もいなかったんですねぇ…(^_^;)。
すずな
2013年05月31日 12:43
>水無月・Rさん
またまた辛口記事へのコメント&TBありがとうございます^^;最近の海堂作品には辛口ばかりなので、なんだか心苦しいというか何と言うか…。
初期の頃のエンタメ要素が戻ってくれるといいんですけどね;;;

高階の過去にちょっと驚きました。まぁ、若さゆえの頑なさなのかもしれませんが。佐伯院長の志が阻まれたのは本当に残念でした。
速水にまつわる過去にこんな理由(?)があったんだなぁと、そこはちょっと感慨深いものがありましたね。

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