私と踊って(恩田陸)

短編集。SF、ホラー、ミステリーなどなど、様々なジャンルの19編。

久しぶりの短編集。ショート・ショートもあるので19編もあって、様々な恩田作品を読める贅沢な1冊でした。ドキドキしたり、ハラハラしたり、ひえぇぇ~~となったり、ウルッとしちゃったりと、本当に楽しめました。

特に印象的だったものをいくつか。

・心変わり
1編目。大学時代の同級生である同僚が不可解な電話を残して行方不明に。彼の机に残されたものからSOSを読み取っていく過程にドキドキしました。最初は、最後に彼が登場して「実は・・・」と笑い話で終わるのかと思ってたら、だんだんと不穏な空気が充満してきて、予想外の展開に驚きでした。

・骰子の七の目
プロパガンダ・シリーズとしてシリーズ化することを考えていた作品なんだそう。面白そうなので、是非、書いていただきたいなぁ!それにしても、日常生活のあれこれを二者択一でどっちか選ばなきゃいけない会議って、私には到底、無理です;;;この会議はちょっと恐かった。

・忠告
・協力

二つが対になった作品。ある日、ペットが字を書けるようになったら・・・という設定で、「忠告」は犬編、「協力」は猫編。最初に読んだ「忠告」がほっこりなラストだったので、「協力」もそっち系だと思ってたら、こちらはゾッするラストでした。我が家には猫がいるので、ちょっとドキドキしちゃいましたよ。

・理由
猫好きには外せないかな(笑)ちょっと笑えるお話でした。でもね、耳の中に猫が落ちちゃって両耳からしっぽだけがぶら下がっているという状態は、よーく考えたらなかなか怖いかもね;;;恐さよりもユーモラスで笑えちゃうのが不思議です。恩田マジックなのかな。猫の名前が「ウカツ」と「ソコツ」ってのも良い(笑)

・死者の季節
ちょっと怖い。あとがきで恩田さんの体験談だと知って、もっと恐くなった;;;これからは、気軽な気持ちで占ってもらうのは出来ないなぁと思いました。

・東京の日記
外国人が書いた日本滞在記という設定なので、横書きで後ろから読まなくちゃいけなかった。短編集だから、これだけがそんな風になってるんですよね。なかなか面白い手法だなぁと思いました。ただ!内容はちょっと恐いんだよ。そして、2010年に書かれた短編だというのに、その後の日本を予言しているようで、そっちも凄く怖い。恩田さんも驚かれたみたいですけど。

・交信
「はやぶさ」のことを描いたショート・ショート。これが一番好きだった。計算された文字数にも感嘆!凄いですー!
実はですね、これはカバー下の表紙の部分に収録されてるんですよ。で、図書館で借りて読んだ私は最初、読めなかったんですよね;;;そのことを、返却の時に図書館員さんに伝えたところ、その場で外してくださって無事に読むことが出来たのですよー!私が説明していたら、数人の図書館員さんが集まってきてちょっと恥ずかしかったんですけど、でも、躊躇なく対応してくださったのにはビックリでした。作品の内容も短いながらもウルッとするものだったし、図書館員さんの対応にもグッとくるものがあって、ウッカリ図書館で涙するところでした。色んな意味で感激した作品でした。
M町図書館さん、本当にありがとうございました!


と、こんなもんかなぁ・・・。
あ!忘れちゃいけないものがありました。

・弁明
中庭の出来事」のスピンオフ。・・・ただ、本編の内容をスッカリ忘れていてなんとも;;;短編としてはそれなりに楽しめたんだけどね。本編の方を再読したくなりました。ただ、本編の感想を読み返してみたら、びみょーな感想でして。これは、このまま再読しない方がいいのかしら、とも思ったり(笑)


他にも「思い違い」は意外なラストが面白かったし「二人でお茶を」も良かったなぁ。そうそう!「聖なる氾濫」「海の泡より生まれて」「茜さす」は写真をから過去を見ることが出来る青年のお話で、これも面白かった!このシリーズで1冊の連作集とか書いて欲しいなぁと思いました。あ、タイトル作「私と踊って」も良かった。こういう友情っていいなぁと思いました。

・・・って、あげていくと、結局、全部になっちゃいそうなので、これくらいで(笑)
どれもこれも、とっても楽しめました。大満足!


・心変わり
・骰子の七の目
・忠告
・弁明
・少女界曼荼羅
・協力
・思い違い
・台北小夜曲
・理由
・火星の運河
・死者の季節
・劇場を出て
・二人でお茶を
・聖なる氾濫
・海の泡より生まれて
・茜さす
・私と踊って
・東京の日記
・交信



(2013.02.05読了)



私と踊って
新潮社
恩田 陸

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この記事へのコメント

苗坊
2013年02月13日 20:12
こんばんは^^
恩田さんの短編久しぶりでしたよねー。読み終えた直後は長編の方が良いなーと思っていたのですが、すずなさんや皆さんの記事を拝見していると良い作品がたくさんあったなぁと思って、私はもったいない読み方をしたのではなんて思いました^^;
「交信」良かったですよね。うちの図書館も最初ブッカーに覆われていたので外して張り直しましたよー。
「忠告」と「協力」も面白かったですね。「協力」も同じような展開だろうと思ったら予想外すぎてびっくりしました^^;
そして「弁明」…「中庭の出来事」を全く覚えていないので残念でした。面白かったんですけど…もったいなかったなぁと思います。
すずな
2013年02月14日 12:40
>苗坊さん
久しぶりの恩田さんの短編でしたね。楽しめましたけど、私も長編が読みたくなったので一緒ですよ~^^;
「交信」は内容にうるっとしてしまいました。図書館のカバーって「ブッカー」って言うんですね!初めて知りました^^;苗坊さんが働いてらっしゃる図書館でも外して読めるようにしてくださったんですねー!そういう心遣いはとっても嬉しい~♪
「忠告」と「協力」は正反対過ぎてビックリでしたよね。ひ~え~と思いました。「弁明」は楽しめたんですが、私も「中庭~」の内容を覚えてなくて;;;もったいなかったですね。
べる
2013年02月23日 23:16
あああ~。すずなさんのご感想を読んで、ますます『交信』読みたくなりました。はやぶさについて書かれた作品なのですね。私も、図書館員さんに言えば良かったかなぁ。
でも、すずなさんが読んだ後、その本はどうなったのですか?もう一度パウチし直したのでしょうか。実物を見てないので、どういう形で書かれているのかわからず、トンチンカンなことを書いていたらごめんなさい^^;;
すずな
2013年02月24日 08:01
>べるさん
あららら^^;是非是非、機会を見つけて読んでください!
読んだ後は・・・ワカリマセン;;;でも、最初は「外せますが、次の予約者がいるのでその方が返却してから再度、連絡しますね~」だったんですよね。でも、大きなビニールテープみたいなものでカバーと表紙をくっつけて止めてあるんですけど、そこをカッターで裂いて外してみたら(裂いたのは表紙の部分だけで背表紙~裏表紙はそのままの状態)、その場ですぐに読めるくらいの短い文章が現れて。なので「いいなら、この場ですぐに読めますけど・・・」と言ったら「じゃぁ」って感じでカバーがブラブラしてる状態のヤツを渡されて読んだんですよー。その後、読めるような形で貼り直して(?)くださったんだと思います。・・・って、この説明で分かります?なんか文章にするって難しいですね;;;分かり難くてすみません;;;今度、図書館に行って棚に並んでるのを発見したらどうなってるのか調べてきます^^;

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