64(横山秀夫)

面白かった~!

横山さんの久々の新刊。ようやく手に出来ました。思ってたよりもボリュームがあって慄きましたが、読み始めるとそんなことは全く気にならず、気付くと一気読みしてました。

昭和64年に起きた未解決の誘拐殺害事件。時効を前に、刑事部と警務部との争いが表面化し、広報官の三上は板ばさみになりつつも、その争いの元となった真相に迫っていく。そして、未解決の誘拐事件は新たな局面を迎え・・・。


ネタバレ気味です。
未読の方はご注意ください!









同じD県警に所属していても、刑事部と警務部という二つの争いがあり、そして、県警と本庁とのポスト争いもありと、本当は一枚岩でいて欲しいと思う組織であっても、そういう部分は一般企業と何ら変わりは無いんだなぁということを改めて感じさせられました。まぁ、組織である以上、そういう部分はしょうがないのかなと思う反面、警察という組織の根源を考えると、そんなことよりも・・・と思ってしまったりもします。まぁ、全員がそんなことばっかり考えているとは思わないけどね。

刑事部から広報官となった三上の揺れ動く心中が胸に迫ってきました。刑事に戻りたいと思いつつ、それでも、今の立場でいるしかないジレンマ。組織の人間として、一人の男として、父親として、夫として・・・。様々な思いが交錯しながら、自分にとってのベストな方法を模索していく姿に、胸が熱くなりました。


そして、14年前の誘拐殺害事件で娘を殺された父親の思いと執念にはただただ脱帽。模倣事件が起こった時に、犯人はきっと・・・と思ったんだけど、その動機(?)がわかった時は驚きすぎて・・・。なんていうんでしょう、その時の気持ちを表す言葉が出てこないです。ずっと祈るようにコールしつづけた姿を浮かべると堪らない気持ちになります。

誘拐事件をメインにした警察小説なんですが、それよりも、人間ドラマと言った方がいいような作品でした。読み応えがありました。



で。
え~蛇足なんですが。本当に蛇足なんですが。「あゆみちゃんはどうなったのー!?」と思ってしまったのは私だけなんでしょうか;;;



(2013.01.20読了)





64(ロクヨン)
文藝春秋
横山 秀夫

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この記事へのコメント

べる
2013年01月22日 08:28
はい、私も娘さんがどうなったか気になったクチです~^^;せめて、希望が持てる何らかのほのめかしみたいなのがあると良かったですよね。
終盤の真相部分はさすが!って感じだったんですが、中盤まではちょっとごちゃごちゃしてて読みにくかったのが残念でした。でも、また横山作品が読めて嬉しかったです。
すずな
2013年01月23日 05:41
>べるさん
娘さん、気になりますよねー!ほのめかしでもいいから何か欲しかったですよね。この件、同意者がいらっしゃってホッとしました(笑)
ボリュームがあった分、登場人物も多彩で確かにちょっとごちゃごちゃ感はありましたね。でも、終盤になるにつれてワクワク感も増していって、あの真相には唸らされました。
久しぶりの横山作品、堪能できて良かったですよね!
2013年03月26日 23:31
すずなさん こんばんは
読ませましたね。流石という感じでした!!
娘さんのその後はあれでよかったかと、
個人的には、そんな感じです 笑
すずな
2013年03月28日 12:51
>yoriさん
ホント読ませましたね~!面白くって夢中で読みました。
娘さんのその後が私は気になって気になって…^^;

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