四〇一二号室(真梨幸子)

この著者の作品は、以前一作だけ読んだことがあるんだけど、それがもうね、ぞわぞわぎゃぁぁーっ!な作品で、それ以降、ちょっと勇気がなくて手を出せなかったんですよね。それが、ちょっと前にアンソロジー集でこの著者と再会しまして。それが後味は悪かったんだけど(笑)、とっても面白かったので再挑戦してみようかなという気になったところで、この作品の出版を知り読んでみました。

前置きが長いよ;;;


・・・あれ?あれれれ?そんなに後味、悪くないなぁ・・・、というのが正直なところ。確かに、女のドロドロとした執念とか嫉妬とかね、そんなものが渦巻いてはいるけれど、覚悟していた程の後味の悪さは感じられなかった。それとも覚悟してたから、そこまでの悪さを感じなかったのかなぁ。

同時期にデビューした女性作家。一方は売れっ子作家となるが、もう一方はなかなかぱっとしない。ところが、ある大停電の起こった日を境に二人の運命が変わっていく。売れっ子作家だった珠美は事故に遭い、ぱっとしなかった桜子は・・・。そして、大停電の後、植物状態で病院のベットに寝かされた女性。意識はあるのに体は動かせず、病院関係者を始め、誰もが彼女に意識があることに気付かない。この女性の正体は・・・。

どうも時系列がバラバラのようで、そして、数人の女性によって語られる出来事は、どこがどう繋がっていくのか。どういう時系列に並べればいいのか。読みながら、整理しようとするんだけど、これがまた難しくってねぇ。途中で整理するのを放棄しちゃいました(笑)

それにしても、植物状態で横たわる女性の途切れ途切れの独白が、すっごく恐かったなぁ。体は動かなくても意識はあるのに、それを誰も気付いてくれない。その状態を想像するとぞっとする。おまけに、周りの人間は意識がないと思って行動するもんだから、本性と言うかね、そんなものが現れるんだよね。まさに人柄が表れるってこういうことなんだよなぁと、ひしひしと身に沁みた。心に刻んでおかなくちゃと思ったよ。

最後はまさかの真相。確かに伏線はあったよ!あったけど、そっちは全く気にしてなかった;;;なので、そうきたかーっ!と悔しい思いをしました。まぁ、その悔しさが、面白かった!に繋がるんだけどね(笑)

期待してたほどの後味の悪さは感じなかったけれど、「女って恐いわー!ひー;;;」という部分も多かったし、最後の真相にはヤラレちゃったしで、それなりに楽しめました。




(2012.11.22読了)




四〇一二号室
幻冬舎
真梨 幸子

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この記事へのコメント

2013年04月11日 22:17
すずなさん、こんばんは(^^)。
私は、「うわぁ、後味悪ッ!」って読みました。
思いもよらない真犯人とか、植物状態の女を周りがどう扱ってるかとか、妄想と幻覚が入り混じった状態とか、居心地の悪~い感じが、どうにも・・・(^_^;)。
でも、読むのをやめられないんですよねぇ。
そういう意味でも、すごい物語でした。
すずな
2013年04月14日 07:11
>水無月・Rさん
私は「後味が悪いハズ!」って覚悟して読んだので、そまで感じなかったのかもしれません^^;
でも、居心地の悪さはすごく感じました。特に植物状態の女性の周りの人々には呆れるというより恐さを感じました;;;

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  • 『四〇一二号室』/真梨幸子 ○

    Excerpt: うはぁ~。騙されたっていうか、なんていうか、ある意味凄いわ。驚愕のラストですねぇ。確かに、伏線はあったけど、ちょっと引っかかってたけど、でもなんかいつの間にか忘れて読んでて、最後に驚いた。 「嫉妬」.. Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。 racked: 2013-04-11 22:09