七つの会議(池井戸潤)

面白かったー!

最近の池井戸作品は、面白いものの展開がパターン化してきたなぁ;;;とちょっと不満もあったんだけど、今回はそういうことは全く感じず最後まで一気に読んでしまいました。

中堅メーカーを舞台に、そこで働く様々な立場にいる8人が語るという連作短編集。


ちょっとネタバレ気味です。
ご注意を。





最初はパワハラの話だと思って読み始めたんですが、読んでるうちにだんだんと違った面が現れてきてビックリ。あれ?なんか違うぞ。え?どういうこと?えぇー、そっちかー!と、本当に驚きの展開でした。パワハラからリコール隠しの話になるとは思いもしなかった。

万年二番手の営業部長、下請けのネジ製作会社社長、不倫の末に捨てられたOL、野心家の経理課長、営業課長、顧客相談窓口、親会社から出向してきた副社長など、本当に多彩な立場の人々が描かれながら、真相に迫っていく。それぞれの立場で、みんな一所懸命頑張っているし、それぞれの思いを持ってその会社で働いているんだなぁと、思いました。まぁ、それって当たり前と言えば当たり前の事なんだけど、普段、働いている時にはそういうこと考えると言うか、思いながら働いてないんだよね。なので、読みながら自分の会社の事、自分がどういう思いを会社に抱いているのかなぁということなんかを、ちょっと考えたりもしたのでした。

そして、会社のため、自分のために、どうするのが一番良い方法なのか。立場によって、その人の考え方によっても、選択する方法が違ってくる。会社で働く人間として、どれがいいとは簡単には言えないなぁと、そんな難しさも感じました。もちろん「顧客の事を大事にしないと商売はほろびる」というのも分かりますし、それが一番大切なことだというのも分かるんだけどね。この作品に登場した人物がもし自分だったら・・・そう考えると、自分がどういう選択をするのか、一番良い選択が出来るのか、絶対の自信は持てないなぁと思えてなりません。


真実が見えた!と思った後の最後の最後に本当の真実が見えて、またまたビックリ。やるせない気持ちになると同時に、憤りも感じたのでした。再出発した会社が、どうか二度と誤った選択をしませんように・・・そう願いつつ読了。

スッキリ!とはいかないけれど、概ね清々しい気持ちで読了できて良かった。なにより、ドキドキワクワクさせられた展開にすっかり楽しませて貰いました。



第一話 居眠り八角
第二話 ねじ六奮戦記
第三話 コトブキ退社
第四話 経理屋稼業
第五話 社内政治家
第六話 偽ライオン
第七話 御前会議
第八話 最終議案


(2012.12.19読了)




七つの会議
日本経済新聞出版社
池井戸 潤

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この記事へのコメント

べる
2012年12月31日 09:38
様々な人物の視点からじわじわと真相に迫って行く過程が読み応えありましたね。ひとりひとり、人物の掘り下げがしっかりしているので、それぞれに感情移入出来るところが池井戸さんの巧いところだと思います。悪いことをする人物にもそれなりの背景や理由があって、簡単に悪者と切り捨てられないところがあったり。新田には最初から最後まで嫌悪しか感じなかったですけどね^^;

最後にご挨拶^^今年も一年お世話になりました。すずなさんのご感想はいつも共感出来る部分が多いので、自分が読んだ本の感想がUPされるとすごく読むのが楽しみなんです。来年も楽しい記事を期待しております。
では、良いお年をお迎え下さい^^
すずな
2013年01月07日 12:55
>べるさん
様々な立場の人物が書かれていて読み応えがありましたね~。そうそう!私もそれぞれに感情移入して読んでしまいました。まぁ、新田のように、どうしても共感できない人物も中にはいましたけどね(笑)

ご挨拶ありがとうございますm(__)mお返しが遅くなって申し訳ありません!
嬉しいお言葉をありがとうございます。私の方こそ、べるさんの記事を読みながら「そうそう!私もそう思うー!」と頷いていることが多いです。
こちらこそお世話になりました。ありがとうございました!今年もどうぞ宜しくお願いしますm(__)m

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  • 「七つの会議」~池井戸潤著

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