鳴いて血を吐く(遠田潤子)

初読み作家さん。すごいタイトルに惹かれて手に取りました。

小さな村の旧家で育ったギタリスト、多聞、人気歌手の実果子、そして、実果子の夫であった多聞の亡兄、不動。幼い頃から同じ家で暮らした3人が、どんな幼少時代を過ごしてきたのか・・・。

タイトル通りというか、それ以上にドロドロで重くて悲惨な物語でした。いや~こういうの好きなんだけど、読むのに気力を使っちゃうので読了後はグッタリしちゃいます。

どんなに抗ったって子供は大人には逆らえない。生きていく為にはしょうがないとはいえ、大人の事情に巻き込まれた子供はたまったもんじゃないよなぁ。それが、小さな村の旧家とくれば余計に、不都合な真実は隠したがるし、隠し通せるもの。抗っても抗いきれず、巻き込まれ、真実は遠く手の届かないところに行ってしまう。。。

多聞の気持ちはよーーく分かったんだけど、実果子はどう思ってるんだろうと、それが知りたくって読んだって感じでした。真相が二転三転していく中、実果子の気持ちがなかなか見えなくって・・・。それが、最後の最後に明かされる真実に絶句。実果子の想いに胸を突かれ、思わず涙が・・・。切なさに胸が締め付けられました。こんな風にしか人を愛せないって・・・。ずっとその想いを抱えていたのか・・・。もうね、一言では言い表せない。実果子の気持ちが痛かった。

悲惨な事柄が続いたり、ドロドロな人間関係が重く圧し掛かったりしたんだけど、ラストの実果子の姿に作品の印象がガラリと変わったのでした。


著者の他作品も読んでみたいと思いました。気力を使って疲れそうだけど(笑)



(2012.11.05読了)



鳴いて血を吐く
角川書店(角川グループパブリッシング)
遠田 潤子

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