生きるぼくら(原田マハ)

良かった。というか、号泣。

いじめを受け、ひきこもりとなった麻生人生。二人暮しの母に失踪され、蓼科で一人暮らしをしている祖母を頼るが、そこには対人恐怖症の中村つぼみがいて・・・。

ひきこもり青年が、田舎で地域の人々の助けを借りながら米作りを始め、その中で、色んなことを学び、成長していく。・・・という、ぶっちゃけて言ってしまえば、ほとんど意外性というものもなく、もう、ホントにすっごいベタな展開なんですよね。それなのに、これがもうね、何故だか涙なしでは読めないってのが不思議でしょうがないんだけど。自分でもベタな展開だなぁと思いつつ読んでるっていうのに、気持ちが醒めることなく、ついついのめり込んで読んじゃって、あまつさえ、号泣しちゃったという。なんとも、不可思議な読書となりました。これは、やはり原田さんの筆力ということに尽きるんでしょうか。

いじめ、ひきこもりだけでなく、認知症や介護、心の病などなど、現代の問題が次々と描かれている。どの事柄に関しても、さらっと流せる事では無いんですよね。だから、ずっしりとお腹にコタエタというかね、重く、暗い気持ちにもなりました。特に、いじめに関しては、かなり詳細な描写がしてあって、読んでいて気持ちが悪くなった。えげつなくって、容赦無い。いじめを受けた人生の気持ちも痛いほど伝わってきて胸を締め付けられる。もうね、堪らなかったです。

介護に関しても、二人とも、若いのに凄いなぁと思いながら読んだんですが、何事も頑張りすぎるのは良くないんだなぁということも思いました。一所懸命なのはいいけど、それが過ぎると周りが見えなくなってしまうという弊害(?)もあるってことですね。私は、今のところ介護の経験はないんだけど、近い将来、確実に介護することになるんだろうとは覚悟しているんですよね。その時のことを考えると、不安で一杯になるんですが、つぼみのようにはならないようにしなくちゃなぁと思いました。結構、頭ガチガチなので、「これはこれ!」って決め付けちゃったりするんですよね;;;周りを頼るとか、ちょっとアバウトになるとか、そういう気持ちを忘れないようにしなきゃと思いました。
・・・って、もうちょっと先のことになりそうだから、その頃にはすっかり忘れてるようなきがしないでもないんだけど;;;

人生やつぼみの真麻との暮らしを、影に日向に助けてくれる志乃さんはじめ、周囲の人々の優しさと温かさも良かったです。自分たちのだけでも大変だろうに、素人の米作りを応援して、手助けしてくれる。それはもちろん、人生やつぼみの姿云々というのもあるんでしょうが、それまでの真麻がいかに人々と素敵な交流を続けてきたかという証でもあるんでしょうね。こんな素敵なおばあちゃんを持った人生とつぼみがちょっと羨ましく思いました。と同時に、すでにこの世にいない自分の祖母を懐かしく思い出したりもしたのでした。


それにしても、これって夜中に読んじゃいけませんねー!おにぎりがね、もうね、すっごぉーーく食べたくなって・・・。食欲を抑えるのに大変、困ったのでした(笑)




(2012.10.15読了)




生きるぼくら
徳間書店
原田マハ

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