勝ち逃げの女王 君たちに明日はない4(垣根涼介)

シリーズ4作目。連作短編集。

リストラ請負会社の社員である真介が出会う様々な職業の人々。会社が打ち出したリストラに対して、どう感じてどう動くのか。今回も人間味溢れる人々の言動を楽しませてもらいました。

取り上げる職業が「あ、あの会社がモデルかな?」と容易に想像出来たり、そこで働く人の中にはそういう人もいるんだろうなぁと思わせる。リアリティがあって、なんとも惹かれる人々が登場するのが魅力です。

今作でちょっと違ってたのは、真介の社長がかつてリストラした人達と、真介が交流するという章があったことかな。大手証券会社をリストラされたおじさん達が語る当時の話や現在のこと。そして、謎に包まれていた社長の過去話もあって、シリーズの中でも毛色が変わってて面白かった。

タイトル作にもなっている最初の章のCAのお話もなかなか。まさにタイトル通りの展開に、世の中、こんな人もいるんだよね~と、最後に私も美代ちゃんや真介と一緒にしみじみ?思っちゃいました。羨ましいとも思うけど、すでに「勝ってない」私としては「そんな人もいるよね~」と苦笑する以外にはないって感じでした(笑)

今作はども章も面白くって一気に読めたんだけど、中でも一番好きだったのは、ファミレスの若き店長のお話かなぁ。なかなか印象に残る人物でした。本当には残さなきゃいけなかった人材だったのに、真介が残せなかったという失敗談でもあるんだよね。そういう意味でも面白かったかな。

贅沢なことを言わせてもらえれば、リストラ話はどれもこれも興味深く面白く読んだんだけど、その分、真介と陽子の絡みが少なかったのはちょっと残念でした。出来ればね、1冊に1話くらいはその手のお話も入れて欲しいなぁと思ったり。・・・って、ホント贅沢(笑)

あと、毎回必ず登場するのに、謎なままな美代ちゃんにも興味があるんだよねぇ。出来れば、彼女についてのお話も読んでみたいなぁとも思ったりもするんだけど・・・。もう、まさに読者の我侭全開って感じですねぇ。




File 1.勝ち逃げの女王
File 2.ノーエクスキューズ
File 3.永遠のディーバ
File 4.リヴ・フォー・トゥデイ


(2012.06.28読了)






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