しあわせのパン(三島有紀子)

映画「しあわせのパン」から生れた物語。映画監督である著者の書き下ろし小説。連作短編集。

映画の原作本だと思ってたんだけど、ちょっと違ってるのかな。でも、映画のノベライズってことでもなさそう。著者は同名映画の監督さん。映画は観てないので、どういう風な位置付けで書かれた小説なのかは分かりませんが、映画とこの作品、どっちが先に出来たのかな~と、そこら辺はちょっと気になったり。

北海道洞爺湖畔の町・月浦にあるパンカフェ「マーニ」を舞台に、訪れたお客さんと彼らを向かえる水縞くんとりえさんとの交流を描いた物語。ゆったりと優しい時間が流れるようなお話でした。

恋人だと思っていた男性との沖縄旅行をドタキャンされた女性、母親が出て行き父親との二人暮しが始まった小学生の女の子、死に場所を探してやってきた関西で銭湯を営む老夫婦。そんな彼らを、りえさんのお料理と水縞くんのパン、二人のさりげない気配りが温かく迎えてくれる。

そんな「マーニ」で過ごす数日間、数時間に、それぞれの気持ちが少しずつ変わっていく。もちろん、それぞえの抱える問題は、そうそう簡単に解決できるものではないんでしょうが、きっと、ちょっとずつでも良い方向に向かっていくんだろうなぁと思えて、読んでいてほっこりと温かい気持ちになれる物語でした。

最後の章は、りえさんと水縞くんの物語。水縞くんの日記になっていて、彼らの出会いと「マーニ」を営み始めた理由なんかが書かれている。訪れる人々を癒していた彼らの物語は、かなり意外なものでビックリでした。まぁ、ラストはね、二人がちゃんと夫婦になっている様子が書かれていたのでホッとしたんだけどね。

そうそう!最後のりえさんの手紙は良かったと思うんだけど、手紙の宛名である「岸田りか」さんというのが誰なのか分からなくって;;;「読み飛ばした!?」と焦りまくって読み返したりました。・・・彼女って登場してないよね?珈琲の入れ方を教えてくれた人なんだというのは分かったんだけど、りえさんとの関係とか、どんな場面で教えたのかとか、ちょっとでも情報が欲しかったなぁ・・・と思ってしまいました。唐突に登場したのですごく戸惑いました。おまけに気になるし。

ということで、最後にもやもやしちゃって、「あ~良かった!」って終われなかったんですよね;;;そこがね、とっても残念。


それにしても、水縞くんの焼くパンがすっごぉーーく美味しそうだったんですよねぇ。読みながら、焼きたてパンの良い香りが漂ってくるような錯覚に陥りました。これを読んだ後、もちろんパンを買いに走ったってのはお約束です(笑)



(2012.06.24読了)




しあわせのパン (ポプラ文庫)
ポプラ社
2011-12-06
三島有紀子

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この記事へのコメント

苗坊
2012年07月03日 14:50
こんにちは^^
映画が先なんですかね?小説が先なんですかね?私も気になっていました。でも、映画化が分かってから読み始めたので水縞君とりえさんはあの2人に置き換えて読んでいました。
どのお話もちょっと切なくてでも素敵で、食べ物がどれも美味しそうでした。
月浦って架空の街の名前なのかと思ったら本当にあったので驚きました^^;実際ロケで使われたお店もあるようなので機会があったら行ってみたいなと思いました。
すずな
2012年07月04日 12:39
>苗坊さん
映画と小説のどちらが先なんでしょうね。気になりますよね~。表紙にも二人の写真だったので、私のあの二人に置き換えて読みました!
切なかったけど、素敵なお話でしたね。お料理も美味しそうだったし♪
月浦って実在の地名なんですか!?お店もあるんですね~。うわ~それは行ってみたいですね!…でも、私にはちょっと遠いかな^^;

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