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zoom RSS 斗棋(矢野隆)

<<   作成日時 : 2012/06/30 05:46   >>

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この著者の作品はデビュー作「蛇衆」後、なんだか縁がなくって読んでなかったんですが、今回はひょいと手元に転がり込んできました(笑)ということで、デビュー作以来の読書となったんですが、デビュー作同様、かなり面白くって一気読みでした。




*****

ネタバレしてます。
未読の方はご注意を。

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幕末の黒田藩。ある宿場町で対立してきた二つの博徒勢の闘いを描いた物語。
対立してきた博徒勢が「斗棋(とうぎ)」という、将棋に見立てた戦いで雌雄を決する事になるんですが、その「斗棋」というのが、親分同士が将棋を指し、その駒となった子分達が命を賭けて闘うというもの。これを読んだ時、思わずハリポタのチェスの場面を思い出したのは私だけでしょうか(笑)あのチェスと違うのは、元々のルールで決められている力関係は全く関係ないってこと。ぶつかった駒に割り当てられていた子分同士が闘い、死んだり降参したら負け。その闘いに勝った駒だけが盤上に残り、負けた駒は排除される。当然、親分は王将としての役割もある。

命を賭けての闘い。まさに死闘と呼べるものなんだけど、この物語はそれだけがメインではないんですよね。その闘いの裏側では、その糸を引いている別の暗躍が繰り広げられている。斗棋の行方も気になりつつ、そっちの方も気になってしまって・・・。蔵人の正体や目的やらが、何やらかなりきな臭い感じでして。そして、その真相に途中で気づきながらも斗棋を続ける、一方の親分である彦左。正直「争ってる場合ではなーい!」と思いつつ、途中で止められないという彦左の気持ちもわかるんですよねぇ。”意地とプライド”もあり、さらには退くに退けない状況を作られてしまってる。

そんな状況で闘われた斗棋の結果は、残酷で哀しいもの。負けた方には死。でも、勝った方にも同じように・・・。何とか切り抜けるのかとちょっとだけ期待してたんだけど、大きな力には為す術もないって感じでしょうか。哀しさも感じつつ、藩のやりようには、本当に悔しくって怒りを感じてしまいました。

ラストに描かれていたのは、博徒勢を陥れた蔵人のその後。蔵人にも、そうせざるを得なかった事情があって、それもまた哀しく切ないものでした。まぁ、だからと言って、赦せるのかというと、彦左に肩入れして読んでいた私としては、かなり複雑な気持ちになっちゃうんだけどね・・・。




(2012.06.23読了)




斗棋
集英社
矢野 隆

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