気分上々(森絵都)

作家生活20周年の著者の短編を集めた作品集。

・・・あれ?なんか想像してたのと違うなぁと、最初の1編を読んだところで思った。「気分上々」というタイトルと「毎日がうまくいかないことばかり。それでもみんな生きていく。きっとまばゆい明日が待っているから。独特のユーモアと、心にしみる切なさ。森絵都の魅力をすべて凝縮した、多彩な9つの物語。」という帯のタイトルに惹かれて手に取ったんだけどね。もっと、ぐっと心に沁みる作品集なんだと思ってました。もちろん、そういう作品が無い訳ではなかったんだけど、そこまでぐっとこなかった;;;

ということで、私的にはちょっと肩透かし感みたいなものも感じてしまった作品集でした。

好きだったのは、ほんわかとした気持ちになれた「彼女の彼の特別な日 彼の彼女の特別な日」かな。彼女と彼に、これからどんな未来が待ってるのか、うふふふふー。と微笑みながら読み終えました。ちょっとワクワクするようなラストが良かった。

えーっ!?と驚きがすっごかったのが「本物の恋」でした。切ない恋物語でぎゅーっと心臓を鷲掴みにされるような、そんな気持ちになった。・・・んだけど、最後のオチにびっくり!そっちー!?と、思わず叫びそうになりました。ヤラレタって感じですよ。

「気分上々」とは全くなれず、暗く重かったのが「東の果つるところ」。でも、すごい印象に残るお話でした。出産を控えた女性が、生まれてくる我が子に綴った手紙。名前に囚われつづけた人生。読んでるだけで、こちらまで何か知らないものに囚われてしまいそうな気持ちになりました。

あと、「17レボリューション」も印象に残った。自分革命を起こすべく、親友との絶好を決めた女の子のお話なんだけど、彼女の訳の分からなさが何とも・・・(笑)最後はホッとできるラストになっていて良かった。実は主人公よりも親友のイヅモが気になったり。彼女のような友だちが欲しいなぁ・・・と思っちゃった。



・ウエルカムの小部屋
・彼女の彼の特別な日 彼の彼女の特別な日
・17レボリューション
・本物の恋
・東の果つるところ
・本が失われた日、の翌日
・ブレノワール
・ヨハネスブルクのマフィア
・気分上々




(2012.04.25)




気分上々
角川書店(角川グループパブリッシング)
森 絵都

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  • まさに気分が良くなる短編集

    Excerpt: 小説「気分上々」を読みました。 著者は 森 絵都 森さん お得意の短編集で 2000年から12年まで 様々な場所で書いてきた9つの作品という そんなわけで 繋がりや括りもなく 様々なタイプの短編.. Weblog: 笑う社会人の生活 racked: 2015-04-29 17:41