猫背の虎 動乱始末(真保裕一)

安政の大地震が襲った江戸を舞台に、新米同心の活躍を描いた時代小説。

・・・って、真保さんって時代小説も書いてたっけ?と思いつつ、タイトルの「猫」に反応して図書館の予約ボタンをポチッとしちゃいました。予約してから、タイトルをよーく見ると「猫」ではなく「猫背」。勘違いも甚だしい;;;というか、そこって勘違いするとこ!?と自分で自分に激しく突っ込みを入れたのでした(笑)

まぁ、そんなちょっとした(え)勘違いで手にした本作だったんですが、これが当たりでして。冒頭から引き込まれ、ついつい夢中になって読んでしまいました。面白かった!

厳しい母や出戻りの姉たちの叱責を大きな身体を丸めて受ける虎之助は、猫背が身について「猫背の虎」と呼ばれている。そんな時、江戸を襲った大地震。大きな被害が広がる中、町人達の為に走り回る新米同心の虎之助に降りかかってくる事件の数々・・・。


地震で妻子や店の全てを失った板前の男、帰らぬ夫を探し妾の元に向かう商家の嫁、地震と火事のどさくさに紛れて吉原を逃げ出した遊女、籠の中で見つかりその後盗まれた死体、そして、謎の焼死体・・・。地震によって運命を変えられた人々、起こった事件の数々。新米同心の虎之助はそんな彼らや事件に、正面から向き合い解決していく。ただ、新米ですからね。もちろん、周囲の沢山の人々の助けがあってこそなんですけど。でも、虎之助の優しさ、ちょっとした温情が気持ちをほっこりさせる。

そうやって町人の為に奔走する虎之助にも胸に秘めた思いがあり、事件解決だけでなく虎之助の思いの行方も気になります。どうなるの?どうするの?とヤキモキしつつ、関わる人々の思いが切なくって・・・。

そんな中、亡くなった父親への疑惑も浮かび上がってくる。この件に関しては、虎之助の気持ちも分かるけど、「そんなハズないでしょうっ!?」と叱りつけたくなりました。父親への疑いばかりを深めていく虎之助にイライラ。気づけよーっ!とブツブツ呟きながら読んでるワタシがいました。父親への疑惑をなかなか拭えない虎之助に、いや、分かるでしょう、それくらい。分かってあげようよ・・・と、最後はちょっと哀しくなるくらいでした;;;


虎之助の恋は、哀しい結末を迎えてしまいますが、最後はちょっと希望が持てるような、そんなラストにホッとしました。できれば、見代と気持ちが通じ合えればいいのになぁ・・・と思いつつ、さすがに姉妹では無理かなと苦笑。


ドキドキしたり、ホロリとしたり、江戸を舞台にしたミステリーと人情話を堪能できた1冊でした。



第一章 大江戸動乱
第二章 神隠し
第三章 風聞始末
第四章 返り花
第五章 冬の虹



(2012.05.11読了)






猫背の虎 動乱始末
集英社
真保 裕一

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