プリティが多すぎる(大崎梢)

うん、面白かった。
ここ最近の大崎作品では、中学生や高校生が主人公のお話ばかりを読んでたような気がしますが、やっぱり編集者とか本屋さんとかを舞台にしたお話のほうが好きですねー。

ローティーン向けファンション誌「ピピン」の編集部を舞台に、そこに異動になった新米編集者の佳孝の奮闘振りを描いた作品。
・・・まとめるとそんな感じなんだけど、なんだか雰囲気が違うなぁ。自分で書いててアレなんだけど(笑)やっぱり「奮闘」って言葉がびみょーですねぇ。

文芸編集者希望の佳孝は、この仕事が嫌で嫌でしょうがない。2~3年のうちに異動させてもらう気満々なので、仕事にも身が入らず、なんとか上手く誤魔化しながら過ごしていければ良いと思ってるんですよねー。そりゃ、佳孝の気持ちも分かりますよ。いきなり若い男の子が、女子中学生向けのキラキラ可愛いものでいっぱいの雑誌編集部で働かなきゃいけなくなった訳ですからね~。「りぼんなんて、どっちでもいいよ。」とか言いたくなる気持ちも分かる。分けるけど、仕事なんだからさ~。そこは、とっとと割り切って頑張ろうよ!頑張れよーっ!と、何度も心の中で突っ込みをいれちゃいました。仕事なんて、自分が本当に希望するものに就ける人なんて、そうそういるもんじゃないんだからさ~。自分ばっかりが貧乏くじ引いたみたいな態度には、正直、ちょっとムカムカしたりもしました。

・・・いかん、佳孝への愚痴ばっかりになりそうになってきた;;;

と、とにかく!そんなに必死にならなくても、それなりに仕事をこなせちゃう佳孝は、嫌々ながらもソツなく仕事をこなしていけるんですよね。出来ちゃうんだからしょうがないんだけど、「とりあえず~」って態度に、読みながらかなりムッとしてるワタクシ。まぁ、そんな態度だから失敗もあるんですが、その失敗もなんだか上手くフォローできちゃったりするところが、ちょっと憎たらしいと言うか何と言うか。余計にムカついてしまったのでした(笑)

でも、そんな彼も、中高生ながらプロ意識を持って頑張るモデルの子達の姿を見たり、その現実の厳しさも実感して、徐々に気持ちが変化していく。もちろん、「文芸をやりたい」という気持ちは持ってますが、それでも「ピピン編集者」としても頑張ろう、という気持ちがちょっとは芽生えてきたのが窺えて、最後はホッとしたというかなんというか(笑)ま、あの女の子たちの姿を見ても気持ちを変えなかったら、救いようがないからね。…って、なんか私、キツイですねぇ(苦笑)

なんだか、佳孝のことばっかり語ってしまいましたが、ファッション誌の編集や、モデルの女の子達、そして、モデル選考会の様子など、この業界の裏側が覗けたのも面白かった。私にとっては全く縁のない世界なので、興味津々、面白く読めました。もちろん、面白いだけじゃなくて、業界の厳しさもまざまざと見せ付けられて、楽しいだけ、面白いだけの仕事ってないんだよなってことを改めて感じさせられたりもしましたけどね。モデルの仕事って、華やかそうに見えるけど、やっぱりプロとしてやっていくのは並大抵のことではないんでしょうね。そして、「仕事」としてモデルをやっている以上、年齢なんて関係ない。中高生の女の子達が抱えている不安や焦りに、こんな年齢で・・・;;;と、この世界の厳しさをヒシヒシと感じさせられました。


この作品もシリーズ化されるんでしょうか?いつか、成風堂書店の彼女達、某ひつじ君、そして、この佳孝とのコラボ?が読めるといいなぁ~なんて、欲張りな読者の妄・・・想像は広がるばかりです(笑)



(2012.03.03読了)




プリティが多すぎる
文藝春秋
大崎 梢

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この記事へのコメント

べる
2012年03月12日 07:43
私も、佳孝にはイライラムカムカしっぱなしでした^^;気持ちはわかるんですけど、それでも仕事なんだから、もっとちゃんとやれよ!みたいな(苦笑)。それに対して中学生モデルたちのプロ意識はすごかったですね。ファッション誌はほとんど読まないので、華やかに見えてこんなに厳しい世界なんだなーと驚かされました。
すずな
2012年03月12日 12:43
>べるさん
一緒ですねー!佳孝の気持ちも分からなくはないけど、往生際が悪すぎじゃーっ!と思ってしまいました^^;
対照的だったのがモデルの女の子たちで、彼女達のプロ意識には心打たれましたねー。佳孝に爪の垢でも煎じて…あ、やっぱり佳孝にキツイ私です(笑)
苗坊
2012年03月12日 19:23
こんばんは。
最初はやる気のない佳孝でしたけど、だんだん変わっていく姿は読んでいて頼もしく感じました。
私はファッション雑誌に関してはとんと疎かったのですが、本当にシビアな世界なんでしょうね~
今だったらスタイルのいいかわいい子はたくさんいるでしょうし・・・
プロ意識は凄いですよね。実際もそうなんだろうな。
シリーズ化してほしいです。
すずな
2012年03月13日 12:40
>苗坊さん
佳孝の最初のやる気の無さにはムカムカでしたけど、だんだんと変わっていく様子は良かったですね。
私もファッション誌に関しては疎いので、シビアで大変なんだな~と思いながら読みました。モデルの子たちのプロ意識には頭が下がる思いでしたね。
是非、シリーズ化して欲しいですよねー!
2012年09月29日 17:04
すずなさん、こんにちは(^^)。
ピピモの女の子たちのプロ意識に比べて、佳孝のやる気のなさったら!と、私も憤慨しておりました(^_^;)。
雑誌の出来る過程、社内外とのやり取りのアレコレ、とても興味深かったですね。
是非、大崎さんの他の作品の、本屋さん・出版営業さん・書籍編集さんたちとコラボしてほしいです♪
すずな
2012年10月03日 05:46
>水無月・Rさん
佳孝のやる気の無さにイライラしましたよねー!
雑誌作りの裏側は全く未知の世界なので、私も興味深く読みました。面白かったり、プロ意識に感心したりしましたね。
おぉー!大崎作品の色んな方たちのコラボは楽しそうですよね。是非、書いて欲しいですね!!

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