水底フェスタ(辻村深月)

2011年最後に読んだのはこの作品でした。この1年は「辻村作品コンプリート!」を目指していたので、1年の締めくくりに相応しい本だな~とちょっと感慨深いものを感じたりもしました。

・・・が!なんだか、ちょっと「あれあれ~?」な読書となってしまって、なんだかびみょー;;;

夏にロック・フェスが行われる以外は静かな山奥の村。村長の一人息子で音楽好きな高校生の広海は、ロック・フェスで村や母親を捨てて東京でモデルとなった由貴美を見かける。彼女に魅了された広海は「村を売る」って村に復讐するという彼女に協力するが・・・。

辻村さんらしいといえば辻村さんらしいような気もしないでもないんですが、なんというかね、辻村作品にしては薄いな~という印象。何が”薄い”かって言われると、明確には答えられないんだけど・・・まぁ、色々と全体的に、って感じでしょうか。

まずは、村に復讐するという由貴美。彼女の動機は分からなくもないし、やろうとすることは衝撃的なんだけど、なんだかもうちょっと強烈な個性というかね、そういうのが感じられないんですよね~。結局、彼女もある意味、他人に唆されて動いていた訳で、そういう意味では自分の意志というか、確固たる信念というのが薄かったからなんでしょうか。読んでいて、彼女に対する興味がほとんど湧かなかった。おまけに、復讐のふの字も描けないうちに終わってしまったような感じになってしまったし・・・。

そして、広海の父親である村長。途中で人柄が変わるんだけど、もうちょっと悪の部分が強ければ・・・とか思ってしまったんですが。彼は、一筋縄ではいかない人物ということなんだろうけど、これもちょっと印象が弱いかなぁ~とか思ってしまった。・・・まぁ、主人公は広海なので、いわゆる脇役である彼にそこまでの印象を求める私が違ってるのかもしれませんが・・・。

結局、由貴美の母親の死の真相についても曖昧なままのような。そして、広海の従兄だって、いつの間にかフェードアウトしちゃってて、彼はなんだったの?と思ってしまった。途中までは彼がキーになる人物なのかな、と思ってちょっと期待してたんですけどねー。

・・・って、なんだか随分と辛口感想になってしまってるような;;;

えっと、面白かったんですよ!「どうなる?どうなる?」と先が気になって一気読みしちゃったし。ドキドキした。これは、ホント!

でも、なんというかラストが・・・。もっと衝撃的な「げげん;;;」となるようなサイアクのラストだったり、じわぁっと沁みるようなラストだったら・・・と思ってしまうんですが。なんだか、ありきたりっていうか、あぁ、そうねぇ・・・ふ~ん、と思うようなラストだったので、ちょっと拍子抜けしちゃったのかな。

辻村作品ということで期待が大きすぎたんでしょうか。2011年最後の読書はちょっと残念な結果となってしまいました。




(2011.12.31読了)





水底フェスタ
文藝春秋
辻村 深月

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この記事へのコメント

苗坊
2012年01月08日 19:28
こんばんは^^
そうですねぇ。辛口になっちゃうの分かります。
面白いは面白いんです。なので読み進んでいくのですが、動機諸々がちょっと物足りないかなとも思うんですよね。
辻村さんらしい作品でもあるのですが、確かに期待しすぎたらう~んっていう感想になっちゃいますよね^^;
すずな
2012年01月09日 12:39
>苗坊さん
面白かったんですが、感想をつらつら打ってて気づいたら辛口になってました^^;
そう!動機も物足りなかったですよねー。
辻村作品だからって期待しすぎちゃったんでしょうか。ちょっと残念な読書となってしまいました。
2012年01月12日 19:14
今年もよろしくお願いします。
私は、正月早々、インフルエンザにかかってしまい、寝込んでいました。
予防接種も受けたというのに、よほど強い菌だったのでしょうか。

辻村さんの作品だと、期待が大きくなりますよね。
ラストが物足りなかったですね。
すずな
2012年01月13日 12:34
>花さん
こちらこそ、よろしくお願いします。
新年早々、大変でしたね~;;;心よりお見舞い申し上げますm(__)m

辻村作品ってことで、期待が大きくなってしまうんでしょうねー。ラストにもうちょっと捻りがあれば…と思ってしまいましたね。

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