望月のあと 覚書源氏物語『若菜』(森谷明子)

「源氏物語」に込められた紫式部の思いとは・・・。「千年の黙」シリーズ最新作。

・・・またやってしまった;;;
この作品はシリーズ物なんだそうだ。たしかに、前から気になりつつなかなか手に取れてない「千年の黙」は源氏物語をベースにしているというのは知ってたんですよね。でも、まさかこの作品がその続編的位置付けだったとは;;;図書館のHPで新刊図書を見付けた瞬間に予約ボタンをポチッとした私は、そこまで確認してなかった。そして、それを知ったのはこの作品を読了後、著者あとがきを読んでるときだったという。なんともオマヌケな結末でありました。あ~大失敗。

でーも!すっごく面白くって、とーーっても楽しめたからいいのだ!

・・・なんだか、すっごい開き直ってるようですが(笑)そんなことではなくって、本当に面白かったんです!上下段の二段組だったんですが、途中で止められなくって一気読み。夢中で読みました。


「源氏物語」のうち「玉鬘」と「若菜」の巻がどうやって式部によって書かれたのかという、著者があとがきでもかかれているように「源氏物語メイキング」な作品。で、当然のことながら源氏物語って「玉鬘」と「若菜」巻の前にも巻がありまして、その前の巻を扱ったのが「千年の黙」と「白の祝宴」となるようです。

当時の宮中でベストセラー(?)となった「源氏物語」。女房達に続編をせっつかれ、熱心なファン達の間で年立(年表)が作られ、それによって矛盾点を突かれたり、空白の箇所の物語を所望されたりと、大忙しの紫式部。でも、そこから世界を広げ、新たな物語を紡いでいく式部の様子が手に取るように分かって、思わず微笑んでしまいました。きっと、実際にそんな感じだったんだろうな~と想像出来ちゃう。そういう所は、現代と全く同じだったんでしょうね。というか、是非とも私もその時代に行って、女房達ときゃぁきゃぁ言いながら続編を待ち望む・・・ということをやってみたい!と、そんなことを思ってしまいました。

そして、「玉鬘」と「若菜」の巻がどのような意図を持って書かれたのか。時の権力者である藤原道長も熱心な「源氏物語」の愛読者であったことを逆手に取り、物語を紡ぎながら式部が彼を牽制したり、導いていく様子が面白かった。かの物語を読みながら、道長が迷ったり、自重したり、反省したりと、式部の紡ぐ物語に影響され翻弄されていく様子にワクワクドキドキしました。まんまと姫君が逃げ切った時には喝采を送りたくなりました。ただの”物語”だけど、それが使い方によっては時の権力者をも動かせるんだというのがね、読んでてとっても痛快でしたね~。

またこれが、ミステリー仕立てになってるのも面白さを倍増させていたように思います。一見、全く関係なさそうに見えながら、あれよあれよ繋がっていく面白さ、着地点はそこか!という驚きなど、本当に楽しめました。


あ~面白かった!
遅ればせながら、このシリーズの他作品も読まなくちゃ!



(2012.01.27読了)





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この記事へのコメント

香桑
2012年01月31日 12:06
『千年の黙』がシリーズ化されていたとは……。読みたい本が増えちゃったよぉ。
『千年の黙』は、繁田信一『かぐや姫の結婚』とあわせて読むと、面白さ倍増の本でした。
すずな
2012年01月31日 12:26
>香桑ちゃん
うふふふふー。頑張って(笑)
…と笑ってたら、お勧め本の紹介が^^;ありがとう♪探してみるー。
2012年08月10日 20:59
すずなさん、こんばんは(^^)。
実は私、すずなさんのこの記事で「なぬ、シリーズ化?!」とあわてて図書館で予約入れようとしたら、『白の祝宴』が先に刊行されてることに気づきまして。
なんとか順番に読みました。
平安時代の人の生きざまが、しっかり描かれていて、とても素敵なシリーズだと思います。
この後も続きそうなので、ぜひ読みたいです♪
すずな
2012年08月17日 12:51
>水無月・Rさん
なんだかお役に立てたようで良かったです♪…という私は、まだ読んでないんですけどね;;;早く読まなくちゃ~^^;
続編が出るまでにはなんとか読破したいです。。。

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