カフェかもめ亭(村山早紀)

風早の街にあるカフェ「かもめ亭」を舞台に、8編のちょっと不思議な物語を集めた連作短編集。「コンビニたそがれ堂」シリーズの姉妹編。

たそがれ堂シリーズの姉妹編とはいえ、舞台が風早というだけでほとんど繋がりはありません。最後の書き下ろし短編にちょろっとコンビニの名前が登場するくらいかなー。もうちょっとコラボがあるかなと期待してたので、そういう意味ではちょーっとだけ期待はずれのような、そんな気分を味わいました。

曽祖父の時代から受け継がれてきたカフェかもめ亭。今のマスターは若い女性。そんなマスターにカフェを訪れたお客様が美味しいお茶を飲みながら語る不思議な物語たち。切なく哀しく、そして儚い。そんな物語が多いものの、最後はなんだかふんわりとした優しさに包まれるような、そんな気分を味わえます。自動ピアノから流れる曲とカフェに飾られた調度品たち、そしてカップからゆるりと立ち昇る湯気と香り。想像するだけで、心がほんわかとなるような、そんな気分が味わえる短編集でした。

一番好きだったのは・・・やっぱり「ねこしまさんのお話」かな。でも、一番切なかったというか泣けたのもこのお話でした。ねこちゃんのお話と子供ががんばるお話は弱いんですよねー;;;読みながら「こんなラストだったらイヤだなー」と思った通りにお話が進んだのは、とっても辛かった。けれど、大人たちの精一杯の優しさが沁みて沁みて・・・すごく嬉しかったラストでもありました。

「番外編・クリスマスの国」で、ようやくたそがれ堂の店員さんがチラリと語られたのが嬉しかった。ちょっとだけだったけど、テンションが上がりましたね~。希望としては、あの店員さんにカフェでお茶なんぞしてもらえたらもっと嬉しかったんですけどねー(笑)まぁ、それは無いでしょうね。
このお話は、読んでる途中で思っていたラストと違ってて「そうきたかー」と唸りつつ読み終わりました。アリスはどうなったんでしょう。想像すると、ぎゅーーーっと胸が痛みます。どうしてもね、ダム湖の淵にポツンと立ち尽くす男性の姿が浮んでしまって、切なくて切なくて・・・すっごく堪らない気持ちになってしまいました。どう想像してもそこに辿り着いちゃうんですよね;;;もっとほっこりするような想像が出来たら良かったなぁ・・・と、自分の想像力ちょっと恨んでしまいました;;;

この作品を読むと、美味しいお茶がとーーっても恋しくなります。特に、かもめ亭の「クリスマスブレンド」が飲みたくて飲みたくてしょうがなくなりました。
ホント、あれ飲みたいなぁ・・・。





・砂漠の花
・万華鏡の庭
・銀の鏡
・水仙姫
・グリーン先生の魔法
・ねこしまさんのお話
・かもめ亭奇談
・番外編・クリスマスの国



(2011.09.24読了)






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この記事へのコメント

2011年09月30日 16:17
こんにちは。
私の中では、この店のイメージは長崎のある喫茶店に重なります。お店にいる人はかなり年齢が違いますが、なんとなく、あんなお店と浮かべながら読みました。
コンビニたそがれ堂に比べると、ちょっと……とテンション下がったのですが、ねこしまさんは号泣でした。展開が読めても、ひたすら泣きまくり。
「クリスマスの国」が一番この作者らしく感じた作品でした。多分、この人の新しい作品のほうが私は好きってことなのかな。
すずな
2011年10月01日 15:29
>香桑ちゃん
イメージできる喫茶店があるというのはいいねー♪
コンビニ~と比べると心の揺さぶられ度?みたいなものが少ないですが、私もねこしまさんでは涙・涙…でした。すごく切ないお話だったね。
「クリスマスの国」は確かにコンビニ~と漂う雰囲気が一緒かなという印象だった。最近の作品という印象だったね。

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