気をつけ、礼。(重松清)

誰でも人生の中で必ず関わるのが教師。好きな先生もいたし、苦手な先生もいた。怖い先生もいた。そんな先生と生徒を描いた6編の短編集。

あいかわらず重松さんは上手いな~と思った。なんていうかね、心の奥に仕舞っていたものをぐっと引き寄せられるというか。6人の先生が登場するこの作品は、自分が関わった先生とは違っているはずなのに、読んでいると、これまでに自分が関わった先生達の顔が次々と浮んでは消えていくんですよね~。

あ、あの先生は元気かな。あ、あの先生には本当にお世話になったな。あ~!あの先生は・・・。作品を読みながら、ついつい懐かしく思い返していると、いつの間にやら頬を伝うものが・・・。最後はぼろぼろと涙をこぼしながらの読書となってしまってました;;;自分でもびっくり。
本当に様々な先生達と関わって、その時は気付かなかったけど、今になって色んなことを、それこそ勉強以外にも本当に色んなことを教えてもらってたんだな~と、改めて思いました。

この作品に登場するのはいい先生ばかりではない。先生も一人の人間で聖人君子ではないんだよ、ということも改めて感じました。だからこそ、重松さんの描く先生は色んな意味で魅力的で、ついつい物語に引き込まれてしまうんでしょうね。ぐぐっと胸を掴まれたように、一気読みしちゃいました。

特に好きだったのは「白髪のニール」「泣くな赤鬼」かな。「白髪のニール」は最後のシーンにやられちゃいました。おもわず涙腺が緩んじゃって・・・。でも、笑顔なんですよねー。涙を流しながら笑ってる無気味な私でありました(笑)「泣くな赤鬼」も号泣。嬉しいはずの再会がこんな形でとは・・・。本当にツライね。

あと、「ドロップスは神さまの涙」では、小学校低学年の時にお世話になった保健の先生を思い出しました。小さい頃は結構身体が弱くって、すぐに熱を出して保健室のお世話になってたんですよねー。その時の先生は年配の方だったんだけど、熱を出してた事に気付かなかった担任の先生を叱ってた姿を今でも憶えている。(・・・ごめん、先生。私が我慢しすぎてた;;;)

その他の作品も良かったー。ほんわか出来る作品というのではなく、切なかったり、寂しかったりする作品の方が多かったんだけど、なんだかジーンと沁みる作品集でした。



・白髪のニール
・ドロップスは神さまの涙
・マティスのビンタ
・にんじん
・泣くな赤鬼
・気をつけ、礼。


(2011.09.15読了)
 
 
気をつけ、礼。
新潮社
重松 清

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