パパは今日、運動会(山本幸久)

来年で五十周年を向かえるカキツバタ文具で史上初の社内運動会が開催された。その一日を追った会社小説。

読む前に想像してたのとは、ちょっと違ってました。連作短編集のように、章毎に主人公が変わる。タイトルに「パパ」とついてるけれど、主人公はパパだけじゃないんですよね~。最初の章からして語り手が女性社員だし(笑)もちろんパパもいるけれど、独身男性社員だったり、男性社員の妻(元社員)だったりもする。パパが頑張る家族小説かと思っていたら、正真正銘の会社小説。タイトルの「パパ」を「カイシャ」に変えた方がいいような気がしないでもない・・・。

社内運動会。・・・うわー、考えただけでゲンナリしちゃうのは私が運痴だからでしょうか。と、そんなことは小説には関係ありません(笑)カキツバタ文具で開催された史上初の運動会は、様々な人の思惑を抱えながら、そして、いろいろな出来事が一挙に起こるのです!まさに「風が吹いたら桶屋が儲かる」そんな諺がぴったりな小説でした。

いろんな人の気持ちが絡み合い、些細な出来事がどんどん加速し、大きく膨らんでいく。同じ会社で働いていたって、同じ気持ちで働いているとは限らない。それは言うまでもなく当然のことなんでしょうけど、そんなそれぞれの思いが連鎖反応のように伝播していくと・・・。

クスリと笑って、じんわり広がる温かさが心地よく、「さ、明日もお仕事頑張りましょうかね~」と思えるお話でした。
・・・まぁ、思ってた以上にお手軽に読めるお話だったので、ちょっと物足りなさも感じたりしたんだけども。



(2011.08.21読了)



パパは今日、運動会
筑摩書房
山本 幸久

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