太陽の坐る場所(辻村深月)

またしてもヤラレタっ!まんまと騙されちゃいましたよ;;;青春モノだと油断してたって言い訳したいような気もするけど(笑)、でも、悔しいー!思い返せば、伏線が張ってあったんですよね。でも、いつも通りそれには全く気付かなかった;;;それが辻村さんだと分かってたのに、それでも騙されるってどうよ?ってな気分も無きにしも非ずですが・・・。でも、悔しい気持ちもありつつ、同じくらい嬉しい気持ちもあるんだよね~。びみょーなファン心理てやつでしょうか(笑)それでもいつかは「ほ~ら!やっぱりね~」とほくそ笑みたいものではあります。・・・うーん、無理かなぁ(苦笑)

高校卒業から10年。毎年、クラス会を開いているものの人気女優となったキョウコは欠席続き。「来年こそは出席してもらおう!」とクラスメイト数人が動き出すが・・・。

イタイ・・・。もうね、あの頃の剥き出しの感情がグイグイと容赦なく突き刺さってくるような、そんな印象なんですよね。否応無く、自分のあの頃を思い出す。思い出したくないことまで記憶の底の底から甦ってくる。読むのがめちゃくちゃシンドイ。でも、続きが気になって読むのは止められない。先へ先へとページを繰る手を止められない。そういうところは、相変わらずの辻村作品でした。顔を顰めながらも一気読み。

数人の男女が入れ替わりで語られる。キョウコに接触を図ろうと試みつつ、現在の彼らと高校時代の彼らの姿が描かれていく。そこから見えてくるモノ。もうね、それぞれが抱えるコンプレックスだったり、悪意だったりが、憶えのあるものが多くって・・・。さすがに、その全てに憶えが・・・ということではないですけどね。でも、あの子が抱えていたモノ、あの子が引きずっているモノ、そして、あの子が今も抱えているモノなどなど。それら、主に”負の感情”がね、自分とびみょーにリンクしちゃったりして、読みながら「うわー、もう勘弁してー;;;」と呟きたくなるくらいでした。ホント、辻村作品って読みながらイタイってことが多いです。

ただ、そんなイタイ感情ばかりではなく、時にフェイントのように感動が押し寄せてくる。感動というとちょっと違うような気もしないでもないんだけど。ぐーっと感情を鷲掴みされて気付くと涙が・・・。紗江子の章では、最後の最後にそれをヤラレちゃいました。貴恵がまさかそうくるとはねー!と驚きもあったんですが、そんなことを思う前に涙腺が緩んじゃいました。この章はあのラストで一気に印象が変わりました。親友の為にそういう行動を起こせる貴恵や、そういう彼女を親友に持つ紗江子が羨ましいというか、ちょっと眩しく感じました。

そうそう。「まんまと騙されたよー;;;」という衝撃がちょっと和らいだその次の章、響子の章。それまでの章を読んで響子にあまり良い感情を持ってなかったんですが、この章を読みながらだんだんと彼女のことを好きになっている自分がいました。公私の区別をキッチリとつけるところなんか、時として「水臭い」「固すぎ」と受け止められがちではあると思いますが、個人的にそういう人にはかなり好感を持てます。他にも、プライドが高すぎと言われるかもしれませんが、その凛としたところは個人的にかなり好きですねー。

最後は、響子だけでなく、それぞれが過去のトラウマや色々なものから抜け出して、この先へ一歩踏み出す、やっと踏み出せたという感じで、読後感も良かった。

うん、面白かったー!



(2011.07.07読了)




太陽の坐る場所 (文春文庫)
文藝春秋
2011-06-10
辻村 深月

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この記事へのコメント

苗坊
2011年07月21日 19:52
こんばんは^^
私もだまされました。気づきませんでした^^;
さすが辻村さんですよね。
学生時代に関しては、イタイですよね。読んでいて辛かったです。学生時代、私はこんなに計算高く生きていたか?って考えちゃいました。多分ぬぼーっと生きていたと思います^^;
すずな
2011年07月22日 17:13
>苗坊さん
気付かないですよねー!悔しいけど嬉しい!と複雑な気分でした(笑)
イタイですよね;;;私も学生時代は、ぬぼーっと生きてた人です^^;周りにもこんな計算高い人はいなかったと思うんですが、私が気付いてなかっただかも~(笑)

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