恋の病は食前に(拓未司)

B級グルメをタイトルにした連作短編集。

ミステリーだと思って読んだら違ってた(笑)でも、この著者の作品としては、こういうお話の方が好きだなーと思った。青春モノ+人情モノって感じかな。ちょっとゆる~い感じは相変わらず。その、ゆる~い感じが作品の内容とマッチしていて良かった。

全編を通して登場するのは、グルメ評論家の草刈春男。ただし、お話によってはほんのちょい役みたいな登場の仕方のもあったりして、メインキャラと言っていいのかびみょーなところ(笑)傲慢で扱い難い変人。おまけに、一目惚れしやすく、惚れたら一直線に向かっていくという厄介な面も。で、その一直線に向かっていくのはまだいいんだけど、ポイントがちょーっとズレてるのが笑いを誘う。ちょっとオマヌケで、最初に登場した時はイヤなヤツ!と思ったんだけど、その思いが持続しない。・・・あらららら;;;と苦笑しつつ、つい手を差し伸べたくなるような可愛さもありました。

5編の短編が収録されてますが、好きだったのは、気弱なコンビニ店員が頑張る「姫路おでんの純情」と、母子家庭の男子高校生が同窓会に出席した母に男の影がちらつき始めて心を乱される「肉巻きおにぎりの青春」かな。最後は、どちらもほっこりできました。

そして、当然のことなんでしょうが、登場するB級グルメの美味しそうなこと!なかでも「姫路おでん」に興味津々。これは食べてみたい!今、夏なので食べたらめっちゃ熱くて大量に汗をかきそうだけど(笑)でーも!やっぱり食べてみたーい!と思いました。

先に書いたように、人情モノ+青春モノって感じなので、ぷぷぷと笑いつつも、思わずホロリとさせられるものもあったりして。「絶品料理」ではなく「B級グルメ」っていうこともあったんでしょうが、なんていうかね、ホッとできて優しい気持ちになれるお話でした。

うん、良かった。



・麗しの横手やきそば
・姫路おでんの純情
・シロコロ・ホルモンのすれ違い
・肉巻きおにぎりの青春
・イタリアンスパゲティの目覚め


(2011.06.28読了)




恋の病は食前に
朝日新聞出版
拓未 司

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