この世にひとつの本(門井慶喜)

「本好きには堪らないタイトル!」と意気込んで手に取ったんですが・・・。うーん、うーーーーーーん;;;
タイトルから想像してたのとは、ちょっと違った作品でした。

印刷会社で起こる社員の連続死と有名書家の失踪。その二つについて、社長の息子、社長秘書、東大卒の史上最速窓際族の3人で調査に乗り出すが・・・。



え~、ちょいと辛口気味です。おまけにネタバレもしてるかなー。ということで、いろいろとご注意願いますです。




「本」がメインというよりも、印刷技術とかそっちがメインのお話でした。それにミステリが絡んでくる・・・というもの。「この世にひとつの本」もそれ自体がメインじゃなくって、なんていうかね、ちょっとしたスパイス程度に扱われてたって感じかなぁ・・・。とにかく、「本」についての作品なんだー!と思って読むと、かなりの肩透かし感を味わっちゃうかな・・・。

ミステリ的にもイマイチ。社員の死についても、大方そんなことかな~と予想してた通り。それも、それを死の原因にするには、かなり”こじつけ”のような気もしないでもない・・・って感じでして。真相が分かった時に「本当にそうきたのか!」って、ちょっとガッカリというかね、呆れちゃったというかね、そんな気分でした。

あと、書家の失踪の理由が・・・。いや、気持ちは分からないでもないんですよ。「文字を残したい」という気持ちになるのも、一種の職業病と思えないこともない。でも・・・でもですね。書家が「墨」に思い至るのが最後の最後ってどうなの?と思わずにはいられないんですよねー。幼少の頃、書道をちょっと齧った程度の私でさえ、「え?だって墨ってあまり劣化ってないような・・・」って思ったのに、それを生業としている人が思い至らないってさぁ・・・。不自然極まりない。たしかに、この書家は、様々な物で試行錯誤を繰り返してて、墨を使う事はなかったようなんだけど・・・。でも、どうよ?と思わずにはいられませんでした。なーんか、違和感を感じまくり。


・・・って、ホント辛口ですねぇ;;;
もうね、タイトルから想像してたのと内容が違った時点でのガッカリ感が大きかったからねぇ。どうしても、その反動が出ちゃいますね;;;

あ、登場人物たちは個性的で、それなりに魅力的でしたよ!うん、その部分については楽しませてもらえました。・・・って、なんだか言い訳口調になっちゃいましたが(笑)これは本当です。

でも、やっぱり内容が期待ハズレだったのは否めない。タイトルが違ってたら、また違った感想だったのかもしれません。うーん、残念。


(2011.06.25読了)




この世にひとつの本
東京創元社
門井 慶喜

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この記事へのコメント

苗坊
2011年07月02日 08:15
おはようございます。
分かります。わかりますよ~。
想像していたものとは違いましたよね。「おさがしの本は」がとても好きだったので、ちょっと残念でした。本ではなくて印刷メインでしたもんね。
書家さんの部分もそうですが、工場の人たちの死の真相も私もそんな気がしたのですが、何となく今のご時世に読むのはちょっとためらわれたといいますか・・・
ただ、キャラクターは良かったです。3人とも個性的で、この3人が登場する作品はまた書いてほしいなと思いました。
すずな
2011年07月02日 12:39
>苗坊さん
そうなんですよー!私も「おさがしの本は」が良かったので期待してたんですが…ねぇ^^;
死の真相とかちょっとタイムリーというか、「今、この話題は…」って感じでしたよね;;;
個性的な3人は良かったですよねー!私もこの3人で別な話が出たら読むんだろうなぁと思います。

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