てふてふ荘へようこそ(乾ルカ)

タイトルと装丁は”ほのぼの調”なんだけど・・・ドロドロとかグロかったりとか、あまりキツクないといいなーと思いながら読みました。乾作品って、結構ハードなことが多いんですもん。でも、今回に限ってはそれは杞憂でした。良かったぁ・・・。

うん、良かった。面白かった!読み始めたら途中で止められなくって一気読みでした。



この作品の感想はネタバレ無しで書くのは難しそう。。。
ということで、未読の方はご注意ください。




いくらおんぼろアパートとはいえ、敷金礼金なしで家賃は破格の月一万三千円ってのは、これは何かがあるんだろうと思ったんですが、まさか!の真相でしたね~。アパート自体にっていうならまだ分かるけど(あんまり分かりたくはないけど/笑)、一部屋ごとに地縛霊がいるってのは驚きの設定でした。アパートは6部屋。ということで、6人の地縛霊とその部屋に住む人々との物語。連作短編集という感じかな。

年齢も職業もバラバラな地縛霊。と、住人達。普段は触れ合えない彼らが触れ合えた時、地縛霊となった人々が成仏していく。霊の数だけそうなった事情があって、それぞれに物語があるんですよね。その霊と一緒に暮らしながら、様々な事情を抱えた住人達もそれぞれに変わっていって・・・。どのエピソードにもグッときました。もちろん、地縛霊になってる訳だから、事情もなかなかキツイものもあったりもしたけど。おまけに、ちょっとイタイところを突かれた時もあったんだけど(笑)どのお話も読みながらついつい涙腺が緩んでしまって・・・。特に三号室のエピソードは泣けました。

そして、6部屋の地縛霊達がそれぞれ成仏していって、残ったのは住人達と管理人だけになってしまった時、てふてふ荘は・・・。

ラストの「集会室」のエピソードは予想通りといえば予想通りの展開でしたが、住人達がてふてふ荘にやってきた時から随分と変わって、前向きに未来に向かっていく姿が清々しく読後感も良かった。切ない別れもあったけれど、あ~素敵なお話を読めたなぁと思えました。



(2011.07.12読了)




てふてふ荘へようこそ
角川書店(角川グループパブリッシング)
乾 ルカ

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この記事へのコメント

べる
2011年07月25日 07:44
なかなか面白い設定で楽しめましたね。ラストはちょっとご都合主義かな、と思いつつも、みんなの力で管理人さんを救ってあげるところは感動的でした。
それにしても、乾さんの精力的な作家活動には頭が下がりますね。今月、また新刊が出たそうで。早速予約しに行かなくちゃ~。あと、他の方のブログで知ったんですけど、乾さんのペンネームの由来、犬を飼われているから(?)『犬いるか』だそうな・・・ダ、ダジャレ・・・^^;;
すずな
2011年07月25日 13:01
>べるさん
面白い設定でしたね~!びっくりでした。ラストはちょっとご都合主義な感じもありましたが、でも、そうでなくっちゃ!とも思えて、ホント良かったですね~。

新刊が出たんですね!それは私も予約しなくっちゃ。…て、ペンネームの由来に爆笑してしまいました!すごい由来ですねー(笑)
さあや
2011年07月28日 23:26
乾作品って、結構ハードなこと・・・

それ感じた事あるわ~。ちょっと覚悟?が必要ね。
新刊『四龍海城』も出ましたね。
さっそくいろんな方がお読みになっているみたい。
しかしまぁ、結構危険好き、なんて書かれてしまうくらいの方
なんですね。
http://www.birthday-energy.co.jp/ido_syukusaijitu.htm

今後なかなか厳しそうだけど、持ち前のパワーで乗り切って
ほしいな。

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