猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷(小路幸也)

これは私の好みど真ん中でした!こういうのすごく好きなんですよねー。

古から人に災いを為す妖を祓う能力を持つ蘆野原一族。その長を務める大学に勤める青年がある日大学から帰宅すると妻が猫になっていた。彼の幼馴染である和泉と一緒に妖を祓い、時々猫になる妻と暮らしていたが・・・。

恩田陸さんの「常野物語」をちょっと彷彿させるような作品。SFというか、ファンタジーというか・・・。妖を祓うんだから、それなりに緊迫した場面もあるんだけど、全体的にそんな緊張感はあまり感じないんですよねー。優しい語り口が効いてるからか、なんとなく穏やかで優しい時間が流れていくような、そんな印象。でも、舞台が文明開化の時代なので、戦争の足音など、不穏な空気もそこここに感じられたりもする。

一族の長としての仕事をこなしつつ、彼が窮地に陥るのを見透かすように猫になり、彼を助ける妻。でも、猫になった時の記憶はない。不思議な奥さんでしたねー。そこら辺、もうちょっと突っ込んだ説明が欲しいなぁ・・・と思わないでもないんですが、そういえば、小路作品ってこういう部分の細かい説明って今までも無かったよなぁ、と思い出したり。いつのまにやら迷い込んだ、これまた猫になっちゃう娘とかさ~。どうしてやってきたのか、その辺は分からないままだったので、モヤモヤしないといえば嘘になりますが・・・(笑)

最後はかなり切ないラストでした。まぁ、完全に無くなった訳ではないんだろうけど、半永久的に・・・という感じでして。このまま郷のみんなは散り散りになったままでいつの間にか途絶えてしまうのか・・・と、そんな寂しさも感じました。個人的には、できればシリーズ化して欲しいなぁ・・・と思いながら読んでいたので、「それは無いよ」と言われたようで、こういうラストは寂しい。

・・・ま、著者が「描こう」と思ってくれれば先が描けるようなラストではあったんだけどねー(笑)ということで、いつかまた彼らに再会したいもんです。



(2011.07.08読了)



猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷
徳間書店
小路幸也

Amazonアソシエイト by 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのコメント

苗坊
2011年07月29日 01:31
こんばんは^^
私もとても好きな作品です~^^
同じく「常野物語」を思い出しました。
でも、こちらの方が温和な感じがします。
小路さんらしい温かな人柄とか雰囲気がいいですよね。
確かに気になる部分は無きにしも非ずだったのですが^^;
それでも全体の雰囲気がとても好きだったので許せます^m^
すずな
2011年07月29日 17:25
>苗坊さん
たしかに、常野物語よりも温和な印象ですね。温かい雰囲気が溢れていて、ホント良かったです。
そうそう!気になる部分はあるんですが、この雰囲気に負けちゃったというか…(笑)
とっても好きだったので続編とか書いて欲しいんですが、どうでしょうね。。。

この記事へのトラックバック

  • 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷 小路幸也

    Excerpt: 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷著者:小路幸也徳間書店(2011-06-16)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る 大学で研究する和弥は、恩師の娘を嫁に貰った。ある日、帰宅すると妻が猫になってい.. Weblog: 苗坊の徒然日記 racked: 2011-07-29 01:29