白蝶花(宮木あや子)

うわー面白かった!
短編集だと思っていたら連作集で、読み進んでいくと全てのお話が繋がっていって、そういう部分でも楽しめた作品でした。

昭和初期を中心に、芸妓として売られた姉妹の姉、財閥の妾となった娘、奉公先で書生と結ばれ子供を身篭ってしまった少女、そして県知事令嬢と、4人の女たちの恋を描いた物語。

とっても切なくって、哀しい。そんな物語ばかりなんだけど、それでも、いや、だからこそかな、女たちの強さが眩しい。一見、本当に儚げで弱そうなのに、恋に落ちた途端、その恋に命を賭ける。そんな迷いの無い姿に惹きこまれました。

全ての物語に他の物語のヒロイン達が登場するんですよね~。だんだんと、彼女達の繋がりが見えてきて、「あ!あの彼女だ!」とか「彼女はこういう人生を歩んだのか!」とか「うわ、ここで繋がる!?」などと、テンションが上がりました。そうきたか!と唸るような関係もあったりして、それぞれの恋物語と共に、そういう部分でも楽しませてもらいました。

3編は切なく哀しい恋物語だったんだけど、最後の1編だけはちょっと趣が違っていて。3編の物語を締めくくるお話として、とっても相応しいと思える物語でした。時が過ぎ、好きになった男性と添い遂げるヒロイン。”老い”には抗えないという切なさはあるものの、愛する男性に見守られながら、穏やかに人生の幕引きを行えるというのは、本当に幸せなことだなーと、そんなことをしみじみと思ったのでした。

それまでの3人のヒロインの事を思うと胸が痛みますが、最後にこういう人生を歩めたヒロインの物語でホッとしたというか・・・ね。最後はちょっと微笑めるお話で、読後感も良かった。
やっぱり、宮木作品は好きだなぁ、と思ったのでした。




・天人菊
・凌霄葛(のうぜんかずら)
・乙女椿
・雪割草


(2011.05.26読了)





白蝶花 (新潮文庫)
新潮社
宮木 あや子

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この記事へのコメント

2011年06月06日 16:05
すずなさん、こんにちは(^^)。
本当に、凛とした物語でしたね!
連作短編だったのも、構成の妙というか、素晴らしかったですし。
最後のヒロインとその夫の、穏やかで確かな愛情がとても美しかったと思います。
すずな
2011年06月07日 12:54
>水無月・Rさん
構成も内容も良かったですね~!
最後の物語が穏やかなラストを迎えられて、良かったですねよー!夫婦の愛情が美しかったです。

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