未来イソップ(星新一)

言わずと知れた星新一さんのショート・ショート集。33編を収録。

昨年秋に開催された「BOOKUOKA2010」で、激オシ文庫アワードに選ばれた本書。短編集は苦手なので、星さんの作品にはなんとなーく手を出せなくって・・・。きっとまともに読んだ事はないような気がします。ところが今回は、福岡は金山堂チャチャタウン店の山元春光さんが書かれた帯の文句に惹かれて購入。・・・したまま、積読本の山の中に埋もれておりました;;;ようやく救出成功です(笑)

途中で多少の中弛みを感じたりもしましたが、意外と最後まで面白く一気に読めました。短いのにチクリと風刺が利いてて、ぷぷ。と笑ったり、苦笑いしたり、時にはドキッとしたり。思ってた以上に楽しめました。

中でも一番好きだったのは、クリスマスの出来事を描いた「ある夜の物語」ですね。ほっこりと胸が温かくなって、優しい気持ちになれました。嬉しさでにっこり笑顔になれる作品。これは、すっごく良かった。

他に好きだったのは以下に列挙。

・いそっぷ村の繁栄
イソップ物語の「アリとキリギリス」「北風と太陽」「キツネとツル」「カラスとキツネ」「ウサギとカメ」「オオカミがきた」「ライオンとネズミ」を星風にアレンジした連作集。現代版いそっぷ物語って感じ?それぞれの最後に「教訓。」がついていて、それも面白かった。

・底なしの沼
地球とある惑星との宇宙戦争。滑稽さにちょっと苦笑いっていうかね、そんな感じで読んでたんですが、最後の締めの言葉が胸に突き刺さる。ホントにその通りだよなーと思える作品でした。

・新しがりや
あ~ららら;;;苦笑い。

・少年と両親
そうきたかー!ぞくりとするラスト。

・価値検査器
どきり。「価値」について考えさせられる。

・やはり
うわー、これって、今でもありそうだよ(笑)


最後に新井素子さんの解説を読んで、本を閉じようとして手が止まる。

「この作品集は昭和四十六年新潮社より刊行された。」

え?えぇーーーーっ!?それって、40年くらい前だよね。うわー、ビックリです!そんなに前に書かれた文章とは到底、思えない。SF調なのに、そこまでの古さを感じられない。もちろん、現在の2000年代を描く時、ロボットが多用されてるのは、ちょっと違った未来だったねぇ・・・とは思うけれど。それでも、そんなに違和感を感じないんですよね。恐るべし星新一さん!本当に凄いですねー!



(2011.06.15読了)





Amazonアソシエイト by 未来いそっぷ (新潮文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック