カササギたちの四季(道尾秀介)

毒のない道尾作品!
・・・って、すごい言い様ですが(笑)だって、そんな印象なんですもん。黒くもなくそこまで暗くもない道尾作品って、なんだかちょっとビックリでした。

リサイクルショップ・カササギは店長の華沙々木と副店長の日暮の二人が経営する小さな店。赤字続きの店で起こる事件を春夏秋冬に渡って描いた連作短編集。

事件の匂いに反応し探偵気取りになる華沙々木と、そんな彼に引っ張られながら実は人知れずその真相に迫り、華沙々木の尻拭いまでしている日暮。・・・この二人の関係って、最近、他作品でも似たようなのを読んだなーとうっすらとしたデジャビュを思い浮かべつつ読みました(笑)多少の違いはあるものの、二人の関係がなんだか似てるんですけどね。

リサイクルショップの客が抱える問題を、華沙々木が見事に解決し・・・たハズがちょっと真相とはズレいるんだけど、本人は全く気付いていない。実は日暮が彼の推理を推理し、その通りに解決するように裏工作に必死になっている。で、本当の真相は日暮が解決し、お客が抱える問題や親子関係を修復している。そう!どのお話も親子関係にびみょーな人たちが登場するんですよね。それが、最後にはなんだか温かいほっこりできるラストとなっていて、最後のお話なんて思わず涙腺が緩んじゃって・・・。ウルウルしながら読了しちゃったのでした。読後感も良かった。

・・・んですけどねぇ。最初にも書いたように、毒がないんですよ!なので、道尾作品だと思って読むと、ちょっと物足りないっていうか何というか・・・。あれ?って印象を受けてしまいました。でも、だからって面白くないってことはないんですけどね。でも、毒に慣れてると、それが無くなった時にどうしても何かちょっと足りないような・・・って思ってしまうんでしょうか。そんな感想も持ってしまいました。

あとですね、日暮が寝る間も惜しんで華沙々木の尻拭い?に奮闘する理由って言うが、イマイチ分からないっていうか・・・。中学生の菜美が笑っていられるようにってことなんだけど、その理由がちょっと弱いような。そこまで思い入れる日暮の気持ちがちょっと理解できなかったんですよねー。ただ、日暮は家族関係に何か思うところがあるようで、そこからきてるのかもしれないなーとは思ったんですけどね。でも、この作品の中ではそこら辺が全く描かれてないので・・・。実は華沙々木については、家族のかの字も出てこないって感じでして。二人とも、家族に関して何かしらのトラウマを抱えてるのかな・・・とか、勝手に毒というか黒さを想像してしまったりしてしまったんだけど(笑)

実のところはどうなんでしょうね。この作品がシリーズ化されれば、そういう新たな背景みたいなものが描かれるんでしょうか。・・・って、どうしても毒を入れ込みたい私なのでありました(笑)




・春 鵲の橋
・夏 蜩の川
・秋 南の絆
・冬 橘の寺


(2011.05.09読了)



カササギたちの四季
光文社
道尾秀介

Amazonアソシエイト by カササギたちの四季 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのコメント

べる
2011年05月16日 07:44
私は日暮が陰で必死にカササギの推理をフォローする為に奔走するところは結構好きでした。確かに毒がなかったですね^^;ここ数作は重いのばっかりだったので、こういう軽く読める作品もいいな、と思いました。私は三人の関係が真備シリーズっぽいって思ったんですが、なるほど、メイン二人の関係はあのシリーズっぽいところもありますね(苦笑)。
すずな
2011年05月16日 12:45
>べるさん
あ、私も日暮が陰で必死にフォローするところは好きだったんですよー。でも、その理由がイマイチ納得できないというかなんというか^^;
軽く読める作品はそれはそれで好きなんですけど、道尾作品で毒が無いっていうのが意外で。あれ?って感じでした。
真備シリーズですか~なるほど。私はちょうど続けて読んだので、あの作品の二人と重なってしまったんですよねー(笑)

この記事へのトラックバック

  • 道尾秀介/「カササギたちの四季」/光文社刊

    Excerpt: 道尾秀介さんの「カササギたちの四季」。 開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、 ちいさな店だ。店長の華沙々木は、謎めいた事件があると、商売そっ.. Weblog: ミステリ読書録 racked: 2011-05-16 07:36