ちょちょら(畠中恵)

畠中さんの新しい江戸物。
・・・というと「しゃばけ」のイメージが強いので、もっと軽~い内容かと思っていたんだけど、ファンタジー要素もなく、結構読み応えのあるそこそこ重い作品でした。

兄の死によって多々良木藩の留守居役となった新之介。何事にも慣れない新参者だが、そこに新たな「お手伝い普請」の情報が流れる。逼迫した藩の財政を鑑みるに、この普請を言い付かると藩は破綻してしまう。そこで、情報を集め、なんとかお手伝い普請から逃れる為に奔走しようとするが・・・。

舞台は江戸ですが、なんだか現代のサラリーマンの物語を読んでいるよう。時代は変わっても、日本人の本質は変わってないんだなーと、そんなことも思ってしまった。上司のご機嫌取りや、義理を欠かさない為の時候の挨拶回り、接待相手を楽しませる術を身に付けたり、伝を頼って情報をかき集め、そして根回しや駆け引き、などなど・・・。そうやって藩の為に必死に働いているのに、接待費が多すぎると上司(江戸家老)などからは罵られ、根回しの為の資金も足りない。・・・いつの時代でもやってることは変わらないのねーと、ある意味、とっても感嘆しました。

苦労をしつつも藩の為に必死で奔走する新之介。そんな中で兄の死の真相を知ったり、憧れていた兄の元許嫁と再会し、ままならない想いを抱えつつ彼女の幸せを願う姿に、ついつい声援を送ってしまいました。不器用だけど、一所懸命なんですもん。そんな彼の奮闘振りを見てたら、応援しない訳にはいかないってもんです。

最後の「嘉祥の儀」では、どうなるのかとか~な~り~ハラハラドキドキさせられたりもしましたが、そういうオチが待ってるとは!思いもよらない驚きの展開でした。・・・ってか、所謂ヘッドハンティングって感じだよねぇ?江戸時代にそういうことまでやってたのか!とビックリでした。・・・ホントにそんなことがあったのかどうかは分かりませんが(笑)

「新人留守居役のドタバタ奮闘記」って感じなんだけど、そう言ってしまうには、ちょっと重くてかなり読み応えのある作品でした。これ、好き。面白かった。シリーズ物として続編も読んでみたいけど、それはちょっと難しそうかな。



(2011.05.04読了)



ちょちょら
新潮社
畠中 恵

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この記事へのコメント

べる
2011年05月19日 00:38
わぁ、正反対の感想・・・^^;;私はとにかく時代物が苦手なんで、時代背景とか役職とか、基本的な部分で大きく躓いてしまった気がします^^;延々と印旛沼普請で引っ張るので、話が進まずイライラしちゃいました。せめて恋愛パートがもうちょっと面白い展開だったらなぁ。うう。スミマセン・・・^^;;
すずな
2011年05月19日 12:53
>べるさん
ホントに正反対でしたね~(笑)べるさんとは結構、感想が似てるなーと思ってるんですが、違う意見の時はお見事!というくらい全く違う評価になりますよね。面白いですね(笑)
確かに恋愛パートはイマイチでしたねぇ。もっと盛り上がるのかと期待してたんですけど。そこは残念でした。

いやいや、私が書いた作品でもないので謝る必要は全くありませんよー。
ほっくん
2012年10月09日 16:51
はじめまして。
私もこの作品大好きです。畠中さんの作品は大好きで
読んでいますが、読みやすくて一気に読んでしまいました。
この作品は読みづらいとのコメントが多かったですが
私は、「アイスクリン強し」の方が挫折をして途中で
止めてしまってます(汗)
「若様組まいる」は読んだんですけどねぇ。。。(汗)

ちょちょらの続編が出てほしいですよね。
待ち遠しいです
すずな
2012年10月10日 12:45
>ほっくんさん
はじめまして。コメントありがとうございます!
面白かったですよね~。でも、読みづらいってコメントが多いんですね;;;ちょっと残念ですけど、自分は楽しめたので良しって感じです(笑)
アイスクリン~は挫折しちゃいましたか。それは残念ですが、合う合わないはありますもんね;;;
続編、読んでみたいですね!

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  • 畠中恵/「ちょちょら」/新潮社刊

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