鉄のしぶきがはねる(まはら三桃)

面白かったーっ!思わず泣けた。めっちゃ、熱くなったーっ!

高校の弓道部を描いた「卵を持つように」が面白かったので、新刊が出たら読みたいと思っていました。今回は工業高校機械科で唯一の女子生徒を主人公に「高校生ものづくりコンテスト」に挑む高校生たちを描いた青春物語。

いや~なんだかね、中盤以降はずっと泣きっ放しだったような気がします;;;すっごく薄い本なのに・・・。それも、自分でも「何でここで泣くんだ?」と不思議に思うような場面でも、溢れてくる涙を止められなくって・・・。なんなんでしょうね。高校生たちの純粋なひたむきさにヤラレちゃったんでしょうか。とにかく、泣けて泣けて困りました。そんな風に、中盤以降はウルウルし通しだったっていうのに、最後は笑ってたんですよねぇ。涙が溢れるんじゃなくて、満面笑顔で読了でした。とっても嬉しくって、自然と笑顔になれるラストで良かった。

手作業よりもコンピューターを信じてた機械科唯一の女子である三郷心。「人は裏切るけどコンピューターは裏切らない」そう思わせる過去があったからなんですが、その心が「旋盤」で「高校生ものづくりコンテスト」に挑もうと気持ちを変え、その目標に向かって邁進する。家族が遭遇した悲しい記憶を思い出してしまうことになるのに、どうしても惹かれてしまう、そんな気持ちに抗えなかった心。葛藤もありつつ、必死にものづくりに取り組む姿が眩しかった。同じ目標に向かって頑張る、クラスメイトや先輩達との交流も良かった。仏像に魅入られていたりと、かなり個性的な面々だったけどね~。あと、授業中にパンツ一枚になっちゃったり、偽コインを作って儲けようとしたりと、やんちゃっぷりもなかなかでした(笑)

そうそう。その偽コイン作りが先生に発覚した時、先生が言った言葉がとっても印象的で、なんだかガツンと胸に響いてきました。
「何かに一生懸命になっとる時、それが本物かどうか、人は時々試されるんよ。本物になりたかったら、そこで踏ん張れ」(p121)
・・・痛い。耳が、胸が…。そんな気持ちになった私って・・・;;;思わずあれこれと色んなことを省みたりしたのでした。

「旋盤」って経験がないので、文章から想像するしかないんですが、私の創造力には限界がありまして(笑)そこら辺はね、上手くスルーして読んだんですが。そんな私でも職人技の凄さっていうのは伝わってきました。「0.01」の世界ですよ。それを手作業で作っていく。いや~すごいですよねぇ。見た目とか手触りで違いが分かっちゃうのがすごい。それを高校生からやっていっちゃうって職人の世界ってどんだけなんだっ!?と、不器用な私は思ってしまいますが(笑)それが普通の世界なんですよねぇ。本当にスゴイなーと、そんな部分にも感動しちゃいました。

「頑張ってね!」と、心に声援を送りながら読了。高校生たちに胸踊らされ、熱くなった作品でした。あぁ、これぞ青春って感じでした。本当に面白かった。



(2011.05.20読了)





鉄のしぶきがはねる
講談社
まはら 三桃

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この記事へのコメント

マルコ
2011年06月05日 08:02
読みました。中学生がこの本を読んで、ものづくりに興味を持ってくれればと思います。旋盤を扱ったことのあるものとしては、納得いかないところもあったけれど、ものづくりの面白さは出ていると思います。
コンピューターは裏切らないと言っているけど、そのコンピュータをセッティングするのは人間で、いくらコンピュータが正確でも、セッティングする人間が間違っていたら、正確にはならない。だから、いくらコンピュータ制御された工作機械でも出来上がった製品は、セッティングした人の個性が表れるんです。
すずな
2011年06月06日 12:44
>マルコさん
こんにちは。
旋盤を扱った経験があれば、色々と突っ込みたくなる場所もあるんですねー。でも、おっしゃるようにものづくりの面白さはとっても伝わってきましたね!不器用な私ですが、何か作ってみようかな、なんてウッカリ思っちゃいそうでした(笑)
たしかに、コンピュータをセッティングするのは人間ですから、やっぱりそこにその人の個性が表れるんですね。なるほどー。

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