おさがしの本は(門井慶喜)

ずっと前から気になっていたんですが、なかなか機会がなくって読めませんでした。今回、ようやく手に取ることができてホクホクしながら読み始めました。

・・・が。なんだかちょっと思ってたのよりも固いっていうかね、小難しい感じでして。読み始めたは良かったんですが、最初は「あれ?」っと戸惑いながら読み進めました。読んでいくうちに、その戸惑いは無くなったので良かったんですけど、ね。

図書館を舞台に、レファレンスサービス担当の和久山の元に舞い込む謎のような質問を解決していく・・・というお話に、図書館存続を賭けた攻防というエッセンス?も加わる。


私の地元の図書館にはカウンターはひとつしかありません;;;隣町図書館もしかり。返却、貸し出し、レファレンスなどなど、全てがひとつのカウンターで行われ、職員さんにも担当の区別はないように思います。ほとんどの職員さんは1年くらいでで交代しちゃうし。臨時職員とか、ちょっと年配の役職付の人は異動でやってきたって感じの方ばかり。長くいらっしゃるのは1~2名の方だけですね。なので、異動の時期になると閉架図書の貸し出し依頼にも躊躇しちゃいます。だって、慣れない人に当たると閉架に篭ったきり、なかなか出てこられないんですよー。てかね、貸し出ししてもらうだけでも大変です。「ピコーン(警告音)」「あれ?」「ピコーン」「・・・あ、あれ??」「えーーーーとぉ;;;・・・●●さーん!」という光景が目の前で繰り広げられます(笑)あと、予約本の存在に気付かず、こちらから「予約してた本が届いてるハズなんですけど・・・」と切り出さなければいけなかったり;;;そして繰り広げられる「ピコーン」「あれ?」の光景;;;そんな状態なので、レファレンスサービスの利用なんて、私的には考えられないっていうのが実情です。実際、それをやってる市民と職員のやりとりを傍で見聞きする機会があったりすると、「あ。それ、私でも分かるぞ。」ということもあったりもして・・・。臨時職員さんとかね、仕方ないとは思うんですけどね。もうちょっと専門職の方を増やして欲しいなぁ、と常々感じています。

・・・なんだか、前置きが長ーーーーーくなっちゃいまいたが。そんな訳で、この作品中に出てくる図書館存続の可否については、か~な~り~興味深く読みました。私の住む街でも、いつ起こってもおかしくない議論だよな、と感じちゃったんですよねー。想像するだけでイヤですが;;;でも、すっごいリアリティがありました。というかですね。図書館を利用している私ですら、文中で言われている「無料貸本屋」のような感覚でいることは否めないんですから;;;「図書館が何故、必要なのか」というのを上手く説明できる自信はありません。

なので、この作品ではどういうオチになるか、すっごく興味深く読みました。そして、和久山さんの語った言葉に、思わず納得。ストンと腑に落ちたというかね。スンナリと受け入れられる意見でした。やっぱり図書館は必要なんですよね、うんうん。

と、図書館存続に関しては一緒にあれこれ考えたりもして楽しめたんですけどね。和久山さんの元に舞い込む質問の方が・・・。なんていうかねー、質問を紐解いていく過程がマニアックすぎて;;;「ふんふん、なるほどー!」「おぉーっ!」と感嘆するというよりも、「・・・そう。」とちょっぴり引いちゃうような、そんな感じでして。なんていうかね、一緒に謎解きに参加するっていう楽しみがほとんど感じられなかったんですよね。「へー、そうなんだー。」で終わっちゃって・・・。ワクワクしたかったなーと、かなり残念に思いました。

おまけに、最後は和久山さんもすんなり異動になっちゃったりもして・・・。まぁ、図書館員とはいえ自治体の職員なんだから異動もありなんですけど。でも、図書館員のままでいてくれなかったことにガッカリ;;;図書館の話というより、地方公務員の話になっちゃったようで、正直、ちょっぴり拍子抜けたようなラストでした。

ということで、面白かったのは面白かったんですけど、手放しで「面白かったー!」とは言えないお話でした。
うーーーん、びみょー;;;





・図書館ではお静かに
・赤い富士山
・図書館滅ぶべし
・ハヤカワの本
・最後の仕事


(2011.05.11読了)






おさがしの本は
光文社
門井 慶喜

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この記事へのコメント

べる
2011年05月19日 07:00
私も超ヘヴィ図書館ユーザーなので、『無料貸本屋』には耳が痛かったですね~^^;;私の住む街は図書館機能が非常に整っていて便利なので、図書館が廃止されるということはまず考えられないんですよね。だから、その街の財政状況によってはこういうこともあるんだなぁ、と目から鱗の思いで読みました。
私は前半部分の、純粋にレファレンス中心の物語の方が面白かったですね。門井さん、新作も本関係の作品みたいなので、楽しみにしてます^^
苗坊
2011年05月19日 08:32
図書館は指定管理になっている場所も多く、1年ないしは3年契約でしか募集しないのがほとんどなんですよね。どっかの知事さんは「図書館なんてただ本を貸すだけなんだから専門家なんていらないでしょ」なんていっていますしね。
私の勤める図書館はレファレンスルームが別にあってよくわからないレファレンスもよく受けます。大学生が課題丸投げで聞いてきたり^^;
この本は図書館司書になる前に読んだので、今もう一度読み返したらレファレンス部分は勉強になるかなぁなんて思います。図書館存続のくだりは前以上に腹が立つかもしれませんが^^;
すずな
2011年05月19日 13:39
>べるさん
「無料貸本屋」は耳が痛かったですよねー;;;読みながら内心、かなり焦りました^^;
べるさんの地元の図書館は非常に整っているようで羨ましいです。図書館ってその自治体の財政状況が如実に反映されてしまうものでなんでしょうね。私の地元のような田舎の自治体ではなかなか厳しいものがあるんだろうなぁ…と、かなりリアリティを持ちながら読んでしまいました。
新作も本関係なんですね!情報ありがとうございます♪楽しみです~。
すずな
2011年05月20日 12:50
>苗坊さん
どの知事ですかーっ!(怒)って感じですね。本当に。ほぼ「無料貸本屋」として利用してる私が怒るのも違うような気もしますが^^;
苗坊さんがいらっしゃる図書館はちゃんとレファレンスルームがあるんですね~。…あるのが普通なんでしょうか;;;それにしても、大学生の課題丸投げはちょっとやめて欲しいですね。ちょっとは自分で考えなさーい!って私なら怒っちゃいそう(笑)
司書として働く前と後で読むと、感想も違ってきそうですね~。どう変わられるのか興味があります。是非、再読を(笑)

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