ばんば憑き(宮部みゆき)

面白かったー!

「日暮らし」の政五郎親分とおでこ、「あんじゅう」の青野利一郎と悪童三人組も登場する江戸物6編。

6編どれもがゾクッとする物の怪のお話。ヒヤリとしつつ、ちょっと温かく、そして、哀しいお話。短編6編とはいえ、そこそこ厚い本だったんですが、面白くって夢中になって読みました。一気読み。「日暮らし」や「あんじゅう」の番外編?もあって、それも嬉しかった。

タイトル作の「ばんば憑き」が一番、恐かった。恐かったけど、これが一番好き。次は「博打眼」「討債鬼」かな~。でも、どれも読み応えがあって、楽しめる作品ばかりでした。

・坊主の壺
不思議な掛け軸のお話。
最初の1編ということもあり、私的にこの作品集の「小手調べ」的な作品だな~という印象。掛け軸の主が夜毎体験する出来事は、想像するとかーなーりー気持ち悪いんだけど、掛け軸の絵を想像すると・・・不謹慎ながら、ちょっと笑えてしまいます。

・お文の影
「日暮し」の政五郎親分とおでこが登場。お文の影のお話。
なんとも切なく酷く哀しいお話でした。最初に子供たちと一緒に遊ぶ女の子の影が登場した時は、ちょっと微笑ましく思ったのに。その真相が明かされると、ホント堪らない気持ちになりました。ラストの片耳が・・・という記述には、もうね・・・。どうか、無事にお文に会えますように。。。

・博打眼
「博打眼」が出来た理由は哀しいものなんですが、お美代と狛犬さんとの会話が可愛らしくってねぇ。狛犬さんの方言が凄くって。読みながら、「え、何て言ったの」とあれこれ頭を悩ましてしまいました(笑)50体並んだ犬張子も想像すると、ちょっと可愛い。ぴかぴかに磨き上げられた狛犬さんを見てみたいなーと思ったり。この作品集の中で、一番ほっこりできたお話でした。

・討債鬼
「あんじゅう」の青野利一郎と悪童三人組が活躍。
利一郎だけではなく、悪童三人組の登場が嬉しい。元気な彼らが見れて良かったなー。謀を暴く・・・というお話かと思いきや、最後にゾクッとする真相が待っていて、さすが宮部さん!と思いました。

・ばんば憑き
若夫婦が湯冶の帰りの宿で相部屋になった老女の語り出す50年前の出来事。
いや~タイトル作だけあるなーと思える作品でした。最初は老女の語るお話にゾクゾクしてたんですが、最後はもうね、ぞぞぞーーってもんじゃなかった。「人間が一番怖い」って本当だよ、と思いましたね~。怖い、怖い。でも、一番読み応えがあったかな。恐いけど、一番好きなお話でした。

・野槌の墓
源五郎右衛門が娘の加奈を通して猫又のたまに頼まれたこととは・・・。
なんと言っても猫又のお玉さんがいい味出してますな~って感じ(笑)ちょっと残念だったのは”たま”としての登場がほとんどなかったことかな。猫の姿のたまちゃんにも会いたかった。これまた、弱者である子供が殺されるという哀しいお話。でも、最後は「良かったねー」と、ちょっと微笑めるお話でもありました。


ぞくぞくと背筋が震えるお話ながら、最後はほっこり出来るものもあって、宮部作品の江戸物を堪能したなーと思える作品集でした。

 

・坊主の壺
・お文の影
・博打眼
・討債鬼
・ばんば憑き
・野槌の墓



(2011.04.18読了)




ばんば憑き
角川書店(角川グループパブリッシング)
宮部 みゆき

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この記事へのコメント

苗坊
2011年05月19日 00:40
面白かったですよね!
怪談というくくりではありますが、それほど怖さは感じなかったです。というか、1番怖いのは目に見えないものではなく、人間なのかなと言う結論でした。
私も「ばんば憑き」が特に印象深いですが奥さんがたまらなく嫌いでそちらばかりが気になってしまいました^^;
すずな
2011年05月19日 12:56
>苗坊さん
面白かったですねー!私も、もっと怖いのかと覚悟しながら読んだんですけど、思ったほど怖くなくって。そう、一番怖いのは人間なのかなと思えるお話でしたね。

「ばんば憑き」の奥さんは本当に嫌な人って感じでしたよねー。私もうわー;;;と思いました。私が夫なら絶対にキレてたと思います^^;

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