吉原十二月(松井今朝子)

初読み作家さん。「吉原手引草」で第137回直木賞受賞した時から気になってたんですが、なかなか読む機会がなくって・・・。ようやく読めました。とはいえ、直木賞受賞作ではないんだけどね(笑)

うん、面白かった。
直木賞作家とはいえ、タイトルがなんだか固そうで。びみょーに「ブンガク」の香りが漂ってたりもしたので、手を伸ばすのに躊躇してしまった部分もあったんですよね。確かに、文章はちょっと固めかなーとも思ったんですが、読み始めたらこれがまぁ、するする~っと読めまして。気づいたら一気読みしてました。

吉原の妓楼「舞鶴屋」を舞台に、そこで人気を二分した花魁の半生を舞鶴屋四代目が語る。性格も容姿も対照的な二人の花魁。女たちの嫉妬、友情、愛情、同情などなどが、吉原で生きる者としての心意気と共に描かれる。

吉原の季節毎の行事に合わせて妓楼主が二人の花魁の思い出話をするという構成。花魁たちの話に加え、季節の行事が描かれているのが良かった。お正月から年末まで、季節ごとに様々な行事があって、季節の移り変わりに合わせて生活している様子が伝わってきました。四季のある日本で、その季節を楽しむ工夫が色々とあるんだなーと改めて実感。人間模様と同様に、興味深く読みました。

そして、対照的な二人の花魁。小夜衣と胡蝶の二人も生き生きと描かれ、その二人の生き様もカッコイイ。流石に妓楼を二分する人気花魁だけあるなーと思えた。普段は仲が悪そうにしてて、そこは幼馴染だし、同じ境遇でもあるという仲間意識もあるからか、一度事が起こると一致団結しちゃう。妓楼主に一泡吹かせたりもして。なかなか痛快でもありました。

この二人、年季が明けた後はどういう人生を歩んだんだろうと思っていたら、まぁ!二人ともビックリの選択をしていて。小夜衣にはなんだか納得だったんだけど、胡蝶には本当に驚いたよーっ。そうきたかーっ!と叫びたくなりました。全く予想だにしないラストでした。ヤラレタよー(笑)

この作品を読んだら、他作品も俄然、読みたくなりました。まずは直木賞受賞作を読まなくちゃ!




・正月は持ち重りのする羽子板
・如月は初午の化かし合い
・弥生は郭の花を咲かせる佐保彦
・卯月は花祭りに仏の慈悲
・皐月は菖蒲の果し合い
・水無月は垂髪の上臈
・文月は念の入った手紙の橋渡し
・葉月は実のある俄芝居
・長月は十三夜の夢醒め
・神無月は亥の子宝の恵み
・霜月は火焚のやきもき
・師走は年忘れの横着振舞い



(2011.04.03読了)




吉原十二月
幻冬舎
松井 今朝子

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