無花果の実のなるころに(西條奈加)

著者初の現代小説。・・・じゃないかなぁ。ゴメスは未来のお話だったけど、内容的には時代小説だったし。現代の中学生が主人公っていうのも、目新しかった。それにしても、西條さんってばゴメスは書いてくれないんでしょうか;;;新刊が出る度に「今度こそ!」と期待してるんですが、毎回、ガッカリ;;;な思いをさせられています。

あ、ゴメスの続刊じゃなかったのは残念だったんだけど、この作品のほうは楽しめましたよー。西條さんってこんな現代小説も書けるんだなーと驚きました。

父親の転勤に同行せず、神楽坂に住む元芸者の祖母、お蔦さんと同居している男子中学生の望。日々、包丁を持てない祖母の為に料理を作りながら、世話好きには見えない祖母を慕って集まってくる人々に振り回されている。そんな望の周りで起きる事件の数々を描いた連作短編集。

・・・とまぁ、そんな感じの作品でしょうか。って、こうやって、あらすじを書いてるってことは、私的に感想がなかなか書けないってことなんだけども(笑)

親友が「蹴飛ばし魔」として警察に捕まったり、美術部の先輩の絵が切り裂かれていたり、祖母の麻雀仲間が次々に振り込め詐欺被害にあったり、そして、知らなかった叔父が現れたり・・・。望の周りで起こる事件を、望や祖母のお蔦さんが解決していく。警察が関わる事件もあれば、ちょっとした日常の謎もあったりする。結構、深刻なものもあったんだけど、どれもがサラリと描かれていて、割合、軽~く読めた。こんな時だから、こういう雰囲気の作品で良かったなーと思ったり。最近、あまり重いのは読めないんですよね、やっぱり。

そうそう!なんといっても、お蔦さんがカッコイイ!こんな粋なおばあちゃんって、私の周りにはなかなかいないですねー。それが災いして、昔からの知人であるとある社長の遺言で株券を貰って、相続騒動に巻き込まれたりもするんだけどね(笑)でも、それをキッチリ収めちゃうところもカッコ良かったですね~。

そして、そして!望の作る料理も美味しそうでしたね~。いいですねー、料理の出来る男子中学生!我家にも欲しいもんです(笑)ホワイトデーに作ったスイーツとか、出来ればご相伴させていただきたーい!と、ウッカリ本に向かって要求しそうになりました(笑)

ミステリー要素もありつつ、内容的にはそれなりに重いんだけど、中学生が主人公だからか、それをあまり感じさせない作品でした。うん、良かった。



・罪かぶりの夜
・蝉の赤
・無花果の実のなるころに
・酸っぱい遺産
・果てしのない嘘
・シナガワ戦争



(2011.03.20読了)




無花果の実のなるころに
東京創元社
西條 奈加

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