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zoom RSS KAGEROU(齋藤智裕)

<<   作成日時 : 2011/02/11 13:03   >>

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第5回ポプラ社小説大賞受賞作。
言わずと知れた、俳優である水嶋ヒロさんの処女作。

2000万円という賞金の額に加え、その賞金を辞退した事、本名で応募したにも関わらず「俳優・水嶋ヒロ」であるということを公表した事によって、か〜な〜り〜の話題となりました。色々と世間では言われてますが、「まぁ、とにかく作品を読んでから!」と思っていて、ようやく手にすることが出来ました。

実はですね、この賞の第1回大賞受賞作は既読だったんですよね〜。その時から、このポプラ社の賞とは相性があまり良くないな〜と思っていたので、この作品にもそれほどの期待は持ってなかったというのが正直なところ。この著者が大賞を受賞した事で有名になりましたが、もともとそんなにポピュラーな賞でもなかったような気もするし・・・。

んで、感想ですが。第1回の大賞受賞作を読んだ時と似たような感想だなーと思いました(笑)むしろ、「期待してたよりも楽しめたなぁ〜」ってのが偽らざるところ。でも、「2000万円の賞金を貰った大賞受賞作」として考えると、うーーーん;;;と思ってしまうんだけどね。

ストーリーというか、アイディアは本当に面白いと思いました。それは楽しめた。ただ、そのアイディアを生かしきる文章力がまだまだだなーって感じでしょうか。だからって、「へったくそーっ!」とこき下ろすほどの文章力でもないと思う。そこまでボリュームがなかったからというのもあるけど、最後まで一気読みって感じで読んじゃったし。ただ、上手く言えないんだけど、文章に説得力がないって感じかな。ヤスオの感情が伝わってこない。死に向かおうとした時、キョウヤとの取引に応じた時、少女との交流、生への執着などなど、その時、その時のヤスオの感情は書かれてはいたものの、それが心にまでは響かないっていうかね。気持ちが伝わってこなかったんですよねー。まぁ、軽〜いラノベ小説だと思えば、気にならない程度かなと思いますけど。

あと、人物造詣も今一歩かな。ヤスオは40歳って設定だったんだけど、どうしても著者と同じ20代にしか感じられなかった。いっそのこと、著者と等身大の20代って設定にしちゃえば良かったのに・・・と思ってしまいました。

そうそう。話題になってたいわゆるラストの「誤植」の件ですが。わざわざシールが貼ってある部分。これについては、「故意」かもな、と思いました。「キョウヤ」と直してあった部分を裏から透かしてみると「てヤスオ」と書いてあったんですけどね。その前に少女との会話の中で「二十九ページと三十ページのあいだに挟んで」(p201)という記述が出てきたんですが、この作品自体の29と30ページのページ数の部分がわざわざ手書きしてあったんですよね。(先の記述を読んだ時に、自分の予想が当たってるか確認するためにページを繰ってみたのですよー/笑)そういう部分に手を加えてあるってことを鑑みると、こういう工作?もありかなーと思えました。まぁ、実際のところはどうなのかわかりませんが(笑)本当に「誤植」で、誰かが必死でシールを貼ったのかもしれませんしね〜。

それにしても、わざわざ「水嶋ヒロ」であることを公表したのは、出版社の”大人の事情”なのかな、と推察しますが、それが彼や出版社にとって本当に正解だったんだろうか、と思えてしまいます。これ1作だけならいいけど、次もあるのなら・・・ねぇ。出版社は彼を「作家」として育てる気はあるんだろうか、そんな疑問も湧いてきます。どちらにしろ、それなりに良いモノは持ってると思うので、勿体ないなーと残念に思わざるをえません。



(2011.02.05読了)



KAGEROU
ポプラ社
2010-12-15
齋藤 智裕

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは^^
もうまーったくすずなさんと感想が一緒です。
悪くはないですけど、大賞で賞金がもらえると聞くと「う〜ん」と思いますし、私も主人公は20代にしか感じませんでした。
ストーリーは悪くないのに惜しい気がします。
個人的には文章の雰囲気が合わなくて読むのが大変でした^^;
次回作が出たとしたら私は。。。読むかなぁ〜う〜ん。
苗坊
2011/02/11 20:07
私もほぼ同意見です。実は私、発売日に読んでしまいまして(その経緯は記事の方に書いてありますが^^;)、世間の評判とか全く知らない状態で読んだんですよね。だから、あまり色眼鏡で見ずに読めた分、割合楽しめちゃいました。ただ、おっしゃる通り、キャラ造形やら文章やらには薄っぺらいものを感じて、前評判ほど『命』というテーマを掘り下げてはいないなぁって思いました。
ちなみに、最後のアレは、やっぱり出版社側の誤植のようですよ。この間本屋で重版の作品確認したら、綺麗に直ってましたもん。それとも、初版のプレミアを付けるために意図して二版以降直したのかな・・・?そうだとしたら、どこまで阿漕なんだ、ポプラ社、と思いますけれどね(苦笑)。
べる
2011/02/12 07:16
>苗坊さん
感想が同じでしたか〜!
そうそう!悪くはないんだけど、大賞受賞作と聞くとどうしても…ですよねぇ^^;ホント、惜しいって感じでした。
次回作が出たら、私はどうするかなぁ…。その時になってみないとわからないですねぇ^^;
すずな
2011/02/14 12:40
>べるさん
発売日に読まれたんですね〜!ここまで話題になっちゃうとどうしたって色んな情報が入ってくるので、そのタイミングで読めたのは良かったですね。
そうなんですよー!私も思ってた以上に楽しめたんですが、文章力とかはちょっと残念でしたね。
最後のアレ(笑)は、誤植なんですねー!それはまた、すごい誤植ですねぇ^^;;;もしプレミアなら、べるさんのおっしゃる通り「ポプラ社よ;;;」って感じですね。
すずな
2011/02/14 12:45

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