砂の王国(上・下)(荻原浩)

そこそこの分厚さの上下巻だったけど、ほぼ一気読み。面白かった~!

証券会社勤務から所持金3円のホームレスに転落し、そこから新興宗教を興して這い上がっていく山崎。どんどん膨れ上がる信者の数、そして・・・。

結構、さらりと描かれるのかと思っていたホームレス生活だったんですが、かなりリアルに事細かに描かれていて驚いた。てか、リアリティあるすぎなんですけど・・・。思ってた以上に、ホームレスでの生活ぶりにページ数も割いてあって、その部分だけでも充分に読み応えがありました。

そして、一発奮起してホームレス生活から抜け出すんですが、この部分はね、ちょっとご都合主義的過ぎるかなーと、思わないでもなかったんだけど。まぁ、小説ですからね、そういう部分があってもしょうがないかな、と思える範囲ではあるんだけども。

で、そこから宗教「大地の会」のお話。

実はね、「新興宗教にハマル」ってのが不思議でしょうがなかったんですよ。いや、過去形じゃなく、今でも同じ思いでいるんだけど。もちろん、本当に純粋な「宗教」というものもあるんでしょうが、どう考えたって胡散臭いものってのがあるじゃないですか。で、TVとかでも何度も話題になったりもしてるっていうのに、それでもハマル人々がいる。私にしてみれば「なんで!?」って不思議でしょうがなかったんですよねー。それが、この作品を読んだら、なんだか、そんな人々の気持ちもわかるかもと思えました。上手いんですよねー。こんな風にツボを押さえられちゃったら、多少の胡散臭さには目を瞑りたくなっちゃうもんなのかもしれないなと、思えました。

そして、大きく膨れ上がった「大地の会」は、創設者の山崎には制御しきれないものになっていく。ちょっとしたことで、自分の掌から砂のようにポロポロと零れ落ちてしまう。タイトルから想像してたものとは違ったラストに「そうきたか!」とビックリ。まさか、そういう展開に向かうとは思わなかったなぁ・・・。「大地の会」をあそこまで大きくしたのは山崎の手腕以外のなにものでもないのに・・・。自業自得な部分もあるよなとは思いつつ、思わず同情も感じてしまいました。でも、虚構はあくまでも虚構ということなのでしょう。

ホームレス生活や新興宗教を興してどんどん膨れ上がっていく様子など、詳細でリアルに描いてあって、とっても読み応えがありました。面白かった。



(2011.01.31読了)



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この記事へのコメント

2011年02月16日 22:47
山崎は、大地の会を作った目的が、宗教心があったわけではないのだから、成功するわけはないだろうとは思いましたが、それでも、山崎のしてきたことを思うと、あのラストは、同情してしまいますね。
すずな
2011年02月17日 12:40
>花さん
たしかに「宗教心」から興したものではなかったので、ああいう結末もありなのかもしれませんね。でも、あのラストはちょっと同情してしまいますよねー。

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