往復書簡(湊かなえ)
これはこれは・・・。手紙のやりとりだけで、こんな面白い小説になるなんて思ってもみなかった!最初から最後まで夢中になって読みました。まさに一気読み。
長編だと思っていたら、3編の中編集でした。どのお話も手紙のやりとりの中でだんだんと真実に近づいていって、手紙のやりとりが始まった当初と最後ではガラリと雰囲気が変わってしまう。そのやりとりがまたね~!「手紙」だからこそつける嘘や、吟味した内容で、どこまでを相手に伝えるか、伝えるべきなのか、そんなさじ加減も伺えたりして。少しずつ少しずつ真実に近づいていく過程に、ドキドキワクワクしながら読み進めました。
・十年後の卒業文集
最後に「おぉっ!」と思わず声が漏れる。そういうことかーっ!いや~私も二人と一緒でまんまと騙されましたよ。手紙だから出来ることですね。・・・でも、10年経ったからって、誰も気付かないってことがあるのかなぁ・・・。手紙なら分かるけど実際に会ったら分かりそうな気もするけどなぁ。そこら辺にはちょっとひっかかりを感じないでもない;;;
・二十年後の宿題
3編の中ではこれが一番好き。同じ場所にいても、それぞれが見たものによって受け取り方も違うし、また同じものを見てても感じ方はそれぞれ違うもんなんだな~と、改めて思った。それによって、その後も変わっていくんだと思うと、ちょっと怖いなとも思う。それにしても、先生が大場に頼んだ理由がそういうことだったとは!最後はニッコリ出来るラストで、本当に良かったな~と思いました。
・十五年後の補修
最初は読んでるこっちが恥ずかしくなるくらいのラブラブな恋人同士の往復書簡だったんですが、やりとりを重ねるうちにだんだんと不穏な空気が漂ってきて・・・。二転三転する展開って感じで、新たな手紙を読む度に緊張感がいや増していきました。これは、ハッピーエンドにはならないな。でも、湊作品らしいかも!と思ったんですが、そうはならなくって・・・。2編目がああいうラストだったので、こちらは違ったラストでも良かったんじゃないかな~なんてこともちょっと思ったり。・・・って、酷い読者;;;
湊作品というと、衝撃的で、悪意の塊のような人が登場して、読後感の悪さもなかなかのものがあるって印象だったのですが、この作品はちょっと雰囲気が違ってたかな。でも、それに物足りなさを感じる事はなく、素直に面白かったと言える作品でした。
・十年後の卒業文集
・二十年後の宿題
・十五年後の補習
(2011.01.21読了)
長編だと思っていたら、3編の中編集でした。どのお話も手紙のやりとりの中でだんだんと真実に近づいていって、手紙のやりとりが始まった当初と最後ではガラリと雰囲気が変わってしまう。そのやりとりがまたね~!「手紙」だからこそつける嘘や、吟味した内容で、どこまでを相手に伝えるか、伝えるべきなのか、そんなさじ加減も伺えたりして。少しずつ少しずつ真実に近づいていく過程に、ドキドキワクワクしながら読み進めました。
・十年後の卒業文集
最後に「おぉっ!」と思わず声が漏れる。そういうことかーっ!いや~私も二人と一緒でまんまと騙されましたよ。手紙だから出来ることですね。・・・でも、10年経ったからって、誰も気付かないってことがあるのかなぁ・・・。手紙なら分かるけど実際に会ったら分かりそうな気もするけどなぁ。そこら辺にはちょっとひっかかりを感じないでもない;;;
・二十年後の宿題
3編の中ではこれが一番好き。同じ場所にいても、それぞれが見たものによって受け取り方も違うし、また同じものを見てても感じ方はそれぞれ違うもんなんだな~と、改めて思った。それによって、その後も変わっていくんだと思うと、ちょっと怖いなとも思う。それにしても、先生が大場に頼んだ理由がそういうことだったとは!最後はニッコリ出来るラストで、本当に良かったな~と思いました。
・十五年後の補修
最初は読んでるこっちが恥ずかしくなるくらいのラブラブな恋人同士の往復書簡だったんですが、やりとりを重ねるうちにだんだんと不穏な空気が漂ってきて・・・。二転三転する展開って感じで、新たな手紙を読む度に緊張感がいや増していきました。これは、ハッピーエンドにはならないな。でも、湊作品らしいかも!と思ったんですが、そうはならなくって・・・。2編目がああいうラストだったので、こちらは違ったラストでも良かったんじゃないかな~なんてこともちょっと思ったり。・・・って、酷い読者;;;
湊作品というと、衝撃的で、悪意の塊のような人が登場して、読後感の悪さもなかなかのものがあるって印象だったのですが、この作品はちょっと雰囲気が違ってたかな。でも、それに物足りなさを感じる事はなく、素直に面白かったと言える作品でした。
・十年後の卒業文集
・二十年後の宿題
・十五年後の補習
(2011.01.21読了)
この記事へのコメント
そこに至るまで、心の内側が変化していく様子が読み応えがありました。
手紙にすると、また違った自分を発見できるのかもしれませんね。
私も同じように後味の悪さを覚悟して読んだんですが、違ってて驚きました。でも、これはこれで面白かったので良かったです~。「手紙」を上手く使った作品でしたね。
昔はよーく書いてた手紙ですが、最近はさっぱりで…。この作品を読んで手紙を書いてみようかなと思いました。違う自分を発見できるかもしれませんね。
そうなんですよねー。湊作品っていうと後味の悪さを期待しちゃうんですが、これはその期待を上手に裏切ってくれたなーと思える作品でしたね。
あ~そうですね。路線変更を狙ってるのかもしれませんねぇ。でも、それもいいかも♪と思わせてくれる作品でしたね~。
私も「湊さんだとこのあたりで悪意が…」とビクビクしてました(笑)。思い込みはよくありませんな(^_^;)。
3編ともよかったのですが、私は「十五年後の補習」が特に良かったです。メールと違って、手紙というタイムラグに加えて海外(それも僻地)という距離から生まれるタイムラグ、そして徐々によみがえる記憶が二転三転するさまは、結構サスペンスだったと思います。ラストはほっとできたので、よけいに♪
それは分かりますー(笑)湊作品なので、そろそろ悪意が…って身構えてしまいますよね^^;
「十五年後の補習」は手紙に加えて海外というタイムラグが効いてましたよね。たしかに、サスペンスのようでドキドキしました。